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震災後の石巻舞台、著名声優ら愛の朗読劇 漱石原作「ユメジュウヤ」 5日・キネマティカ

東京公演でのリハーサルの様子。石巻を舞台にした物語を声優13人が演じる

 東日本大震災後の石巻などを舞台にした朗読劇「ユメジュウヤ~キミヲ愛ス~」が5日、石巻市中央1丁目のシアターキネマティカで上演される。アニメを中心に活躍する著名声優らが出演。夏目漱石の「夢十夜」を原作に、オリジナル要素を織り交ぜた愛の物語を展開する。

 声優有志でつくる「KAZENOKO-PRESENTS(カゼノコプレゼンツ)」が主催。子ども向けアニメで人気を集める小田久史さんが主演を務め、「名探偵コナン」の毛利蘭役を務める山﨑和佳奈さん、「ドラゴンボールZ」に出演する伊藤美紀さんら13人が登場する。

 物語は、東京から古里の石巻に戻った雪緒が不思議な夢を見るようになり、自身が大事な記憶をなくしていることに気付きはじめる。「夢十夜」の描写や、石巻、東北の風景を随所に取り入れ、思い出と愛を取り戻していく姿を描く。

 朗読劇は、カゼノコを主宰する声優の志乃宮風子さんが2018、19年、市内で開かれた震災のチャリティーイベントに参加したことをきっかけに発案した。共に石巻を訪れていた脚本家の高村金縷梅(まんさく)さんが物語を手がけた。

 志乃宮さんは「震災を経験しながらも笑顔で接してくれる石巻の方々の懐の深さに引かれた。どこか安心させられる石巻の人々や、切なくなるような景色を表現しようと試みた。優しい芝居を見て温かい気持ちになってほしい」と話す。

 20年3月に企画していた東京での震災チャリティー公演は、新型コロナウイルスの影響で中止になったが、無観客公演での配信を実施。今年3月に都内で再演した。石巻への訪問を重ねる中で現地公演も目指すようになり、キネマティカを運営する石巻劇場芸術協会との出会いから実現した。

 志乃宮さんは「芸術と文化の火を絶やさないように頑張っている協会の思いに共感した。公演を通して劇場文化の活性化にも協力したい」と語る。

 開演は午前11時と午後2時半。午前の回終了後には出演者によるアフタートークもある。前売り、当日ともに3000円。定員は各40人。全席自由。キネマティカのホームページにある専用フォームから予約する。連絡先はキネマティカ0225(98)4765。

【朗読劇】ユメジュウヤ~キミヲ愛ス~ 石巻公演 - シアターキネマティカ

6日、ワークショップ

 朗読劇「ユメジュウヤ」公演を記念した演劇ワークショップが6日、シアターキネマテイカで行われる。

 講師は「ユメジュウヤ」出演の声優高城元気さん。劇が形となっていく流れを感じながら役をつくりこんでいき、朗読劇のワンシーンを参加者全員で演じる。

 午前10時半~正午と、午後2時~3時半。参加無料。定員は各回先着5人。キネマティカのホームページにある専用フォームから申し込む。

【演劇WS】ユメジュウヤ 公演記念ワークショップ - シアターキネマティカ

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