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出島、サウナで熱く 12月開業へ地域おこし協力隊員奮闘 女川

サウナの建材として活用する丸太を運ぶ準備をする鹿又さん(右)と大山さん

 女川町の本土と結ぶ橋が12月19日に開通する予定の同町の離島・出島で、観光誘客に向けた動きが進んでいる。サウナ施設の開業構想を膨らませてきた同町の地域おこし協力隊員2人が、島内唯一の民宿の敷地内で建設に着手。「島の豊かな自然を楽しんでほしい」と架橋に合わせた開業を目指している。

 島の西側中央部にあり、巨石が並ぶ縄文時代の配石遺構群「出島遺跡」近くの山林で9月中旬、共に協力隊員の鹿又陸さん(30)と大山海渡さん(30)が汗だくになりながら、サウナの建材として活用する長さ約4メートルの丸太を運んでいた。

 塩釜市出身の鹿又さんは、サウナ好きが高じて全国各地の施設を巡る。出島にサウナを作るために、昨年8月に隊員に就任。同年10月に幼なじみでサウナが趣味の大山さんも加わり、今年1月にはいずれもサウナが盛んな北欧フィンランドとエストニアに一緒に行き、サウナ文化を学んだ。

 新設するサウナの名称は「JUURI sauna(ユーリ サウナ)」。ユーリはフィンランド語で根や根源という意味で、精神面も含めて体を癒やしてほしいという思いを込めた。

 10人弱が入れる室内を暖めるサウナストーブは、フィンランドから取り寄せる本格ぶり。架橋直後の12月下旬にプレオープンする計画で、来年2月の本格オープンを目指す。

 サウナの建材や使用する薪は、2人が出島遺跡近くの山林で間伐したスギを利用。山林は島を周回するトレッキングコースの一部になっており、サウナを通じて森林環境の保全にもつなげたいとしている。

 民宿は採算が合わず、8月中旬から営業を休止している。鹿又さんが事業譲渡し、来年以降に再開する予定。

 鹿又さんは「遠方から来た人にサウナで非日常を味わってほしい」、大山さんは「外から来る人だけでなく、島民にも親しまれる場所にしたい」と語った。

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