いらっしゃいませ ＞ ちょい飲みアンマー（石巻市大街道南４丁目）

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＜亡き娘に背中押されて＞

　入り口は一見すると民家の玄関。引き戸を開けてのれんをくぐると、そこは立派な「ちょい飲み屋」。アットホームな雰囲気の中、ママの斎藤美代子さん（６４）が笑顔で出迎える。

　店は６月にオープン。斎藤さんは約３０年間、石巻市立町でスナックを営んでいた。新型コロナウイルスの影響を受け、２０２０年夏にひっそり店を閉めた。その後、友人らの後押しで再起を決断。民家のガレージを改装して新規開店にこぎ着けた。

　食事はどれも母の味。おつまみ３品か５品の「おまかせ」（２５００円～）や焼き魚（６００円～）、おにぎり（２００円～）を食べながら、肩の力を抜いて酒杯を傾けたい。瓶ビールのほか、焼酎やウイスキー、酎ハイなどをそろえる。

　「みんなの顔が見たくて。人が集まる場所ってやっぱりいい」と斎藤さん。客同士は仲を深め合い、カラオケ（１曲２００円）で盛り上がることも。常連の男性は「気軽に来られて、にぎやかなのがいい」と話す。

　店名「アンマー」は沖縄の方言で「お母さん」の意味。東日本大震災で亡くなった長女仁美さん＝当時（２４）＝が歌ってくれた曲名から付けた。斎藤さんは「今も背中を押されている気がする」と目を細めた。（漢）