「ホヤと自分重なる」 古里・石巻で講演 映画「ほやマン」庄司監督、舞台裏紹介
石巻市網地島で全編ロケした映画「さよなら ほやマン」(2023年)を監督した石巻市出身の庄司輝秋さん(44)=東京都=が18日、同市千石町の石巻グランドホテルで講演、映画人生を織り交ぜながらの制作にまつわるエピソードが市民の関心を呼んだ。
庄司さんは「『さよなら ほやマン』映画制作の舞台裏から見た遅咲き映画監督の旅」と題して講演。実際、石巻を舞台にした短編「んで、全部、海さ流した。」(13年)を発表してから「さよなら ほやマン」で劇場長編映画デビューするまで10年かかった。
庄司さんは「精神的に不安定になりモヤモヤしていた。そんな時、石巻の実家で食卓に出されたホヤに興味を抱いた。何も考えず一生を終えるホヤに自分が重なった。もしかしたらホヤが映画の軸になるかも」と語り、映画のアイデアが意外な出合いから生まれたことを明かした。
「映画はシナリオで決まる」「映画はキャスティングで決まる」「映画はロケーションで決まる」などと映像を使いながらテーマごとに説明、市民は映画制作の現場に携わっているような感覚を味わった。
庄司さんが強調したのが「震災の映画にしたくなかった。暗い感じにしたくなかった」だった。「港町は明るい、人は強い-を描けないかなと。同じ宮城県出身のクドカン(宮藤官九郎、脚本家)さんから底抜けに明るいのを見たかった、と言われた時はうれしかった」と話した。
同市泉町の秋月ルミさんは「面白かった。これからも庄司監督を応援していきたい」と語った。
講演会は市医師会の会員で構成する石巻医師団が主催した。
関連リンク
- ・いしのまき大賞決定 映画監督 庄司さん、ファーム・ソレイユ東北、アーク溶接工 高橋さん(2024年2月24日)
- ・2024衆院選・宮城4区 きょう投開票、夜大勢判明 政権継続の是非、審判
- ・災害からの再生、希望探る 日本都市学会大会 石巻での開催7年ぶり
- ・サン・ファン館、新たな船出 常設展示リニューアル 使節団の旅路を発信 石巻
- ・寄磯小、児童2人が学芸会 演劇で住民と共演 会場一体、「ソーラン」踊る