寄磯小、児童2人が学芸会 演劇で住民と共演 会場一体、「ソーラン」踊る
児童が2人しかいない石巻市寄磯小で12日、「寄磯フェスティバル」と題した学芸会が開かれた。昔話をアレンジした演劇には教職員だけでなく、住民らも出演してサポートした。
昔話「ねずみの嫁入り」を基に、同校教諭がオリジナルの脚本を執筆。4年鈴木初空(そら)さん(9)と1年渡辺愛涙(める)さん(7)が主演し、それぞれネズミの「チュー太」と「チュー子」役を担当した。ねずみ色の衣装に身を包み、かわいらしいダンスで開幕を飾った。
物語では、チュー子の結婚相手を探そうと家族がオーディションを開く。夫候補に名乗りを上げる役は、卒業生の牡鹿中生徒や、同校と関わる地元企業の社員が担当。漁師や介護士としての職業をPRしながら、懸命にアプローチする姿が会場の笑いを誘った。
住民らも盛り上げに一役買った。地域の高齢者グループ「お茶っ子会」の面々は地元伝統の舞を見せ、結婚式の場面では即興を交えたスピーチも披露。フィナーレでは出演者や飛び入りの観客が「寄磯ソーラン」を踊り、会場が一体となって劇を楽しんだ。
オーディションの司会役を演じた牡鹿中1年の渡辺羽海さん(13)は「後輩たちの頑張りが見られてよかった」と話した。夫候補として出演した市内の介護施設職員星直志さん(30)は「2人の劇に花を添えられてうれしい」と語った。
児童は授業の合間を縫って劇やダンスの練習に励んだ。鈴木さんは「長いせりふを覚えるのが大変だった。緊張したが、ゆっくり大きな声で話すように頑張った」と振り返った。渡辺さんは「ダンスが楽しかった。家でも練習して振り付けを覚えた」とはにかんだ。
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