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災害からの再生、希望探る 日本都市学会大会 石巻での開催7年ぶり

災害から身を守る工夫を重ねて進化した建築技術などを紹介する平川氏

 日本都市学会第71回大会が27日まで、石巻市の石巻魚市場で開かれている。東日本大震災の被災地で「災害と文明-Rebornと希望」をテーマに、全国の研究者約70人が参加。震災復興や持続可能な都市の在り方などを探る。

 26日は研究発表やシンポジウムがあり、県慶長使節船ミュージアム(サン・ファン館)館長の平川新氏が基調講演した。平川氏は「災害や自然から身を守る工夫が文明と文化をつくった」と前置きし、法隆寺(奈良県)の五重塔や、松島町の瑞巌寺は、地震多発地域が生んだ高度な免震・耐震工法と紹介した。

 震災による仙南地域の津波浸水域が街道より海側にとどまった調査結果を示し「堤防がない時代は洪水や津波を受けにくい微高地に宿場や集落を設けた。近代化以前は自然と共存する思想が強かった」と強調。巨大防潮堤があった岩手県宮古市などが震災で甚大な津波被害を受けた事例を挙げ「防潮堤を強化するほど住民は低地に家を建てた」と述べ、防潮堤がもたらす安心と過信を指摘した。

 平川氏と亀山紘前石巻市長、巻組代表社員の渡辺享子氏らによるパネル討論もあった。

 27日は午後1時から「避難と帰還のあいだ」と題した対談があり、東日本大震災・原子力災害伝承館(福島県双葉町)の山田修司氏らが話題提供する。一般来場者も聴講できる。

 大会は日本都市学会と東北都市学会が主催し、石巻市、石巻専修大、三陸河北新報社が後援。石巻での開催は2017年の第64回大会以来7年ぶり。

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