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お待たせ! カキ出荷始まる、1ヵ月遅れ 石巻

手際よくカキの殻をむく生産者ら=28日午前8時30分ごろ、万石浦鮮かき処理場

 県漁協は28日、今季の県産生食用カキの出荷を始めた。猛暑の影響による海水温上昇で生育が遅れ、例年より約1カ月遅れでシーズンを迎えた。

 石巻地方でも早朝から生産者らがむき身作業に追われた。石巻市渡波の県漁協石巻湾支所「万石浦鮮かき処理場」では、生産者や家族、パートら関係者約130人が身入りの状態を確かめながら、殻むき作業に当たった。

 同市渡波の県漁協石巻総合支所には午後3時ごろ、県内15の支所と出張所からむき身約5.1トンが入荷。入札では10キロ当たりの平均価格が昨年より1万1491円高い4万2376円、最高価格は4万7000円になった。

 今季の出荷解禁は県が指針に定める9月29日から1カ月遅れた。県漁協は例年約1500トンの生産を目指しているが、昨年は高水温などの影響で約860トンにとどまった。今季は来年6月までに920トンを目標に掲げる。

 石巻湾支所も例年240~250トンを出荷するが、昨年は約120トンと半減した。同支所かき部会長の丹野芳広さん(60)は「普段よりもスタートは遅くなったが、自信を持って出せるサイズに育った。日ごとに身入りが良くなっているので、期待してほしい」と話した。

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