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2024衆院選 宮城4区、新区割り 各陣営明暗

 27日投開票された衆院選宮城4区は、立憲民主党前議員の安住淳さん(62)が安定した戦いで10選を果たした。新たな区割りでの戦いを制し「心新たに頑張る」と拳を突き上げた。議席を守れなかった自民党前議員の伊藤信太郎さん(71)は「私の力不足」と肩を落とした。大差で敗れたともに新人の日本維新の会の佐藤雄一さん(45)、れいわ新選組の大林正英さん(60)の陣営でも関係者に落胆が広がった。

○安住さん、安定した戦い 「政権担う実力付ける」

会場に到着し、支援者らと握手する安住さん(右)=27日午後8時10分ごろ、石巻グランドホテル

 午後8時の投票終了直後、安住さんの10選が確実になったとの一報が入ると、石巻グランドホテルに詰め掛けた支持者から「やった」と拍手が湧いた。

 万歳三唱の後、安住さんは「新区割りでの選挙戦は最大の危機だったが、仙台圏を含めた県内の課題を知り、古里を見つめ直す機会になった。また一生懸命頑張る」と話し、支援に感謝した。

 自民の裏金問題について「有権者の静かな憤りを感じた」と振り返った。批判票を取り込んだ立民は議席数を伸ばした。「第1党を争うところまで来られたのは大きな前進。政権を担うだけの実力を付けていく」と述べた。

 選挙戦で訴えてきた外国人材の受け入れ推進に改めて意欲を示した。駆け付けた斎藤正美石巻市長は「異文化共生都市をつくり、人口減対策に取り組んでほしい」と期待した。

●伊藤さん、8選逃す 「政治とカネ」に泣く

小選挙区での落選が決まり、支持者に感謝の言葉を述べる伊藤さん=27日午後8時10分ごろ、利府町の選挙事務所

 「心強い支援を頂いたのに結果を出せず申し訳ない」。伊藤さんは小選挙区での敗戦が確実となった午後8時過ぎ、利府町の事務所で目に涙を浮かべながら頭を下げた。

 「自民党への逆風もあった」と述べ、党派閥の裏金事件を巡る「政治とカネ」問題の影響を受けた厳しい選挙戦を振り返った。

 区割り変更に伴い新たな選挙区となった石巻地方3市町などで浸透しきれなかった。今後については「頂いたご恩をどうやってお返しできるか、考えて行動していきたい」と声を絞り出した。

●佐藤さん、維新浸透できず

選挙戦での協力を支援者に感謝する佐藤さん(奥右)=27日午後8時10分ごろ、石巻市広渕の選挙事務所

 佐藤さんは午後8時の投票終了後すぐに敗戦が判明し、石巻市広渕の事務所で支援者約15人に対しあいさつ。「ベテラン候補者2人への挑戦者として立候補したが、維新が東北で浸透していなかった。活動量が不足していた」と述べた。

 若年層と無党派層の取り込みを目指し、人口密集地を中心に支持を呼びかけてきたが、知名度で勝る前議員の厚い壁に阻まれた。「今後も挑戦できる立場をもらえるなら、維新スピリッツを東北に浸透させたい」と言い「今から次の衆院選に向けて準備をしていく」と気持ちを切り替えた。

●大林さん、準備不足悔いる

落選を受けて支援者にあいさつする大林さん=27日午後8時30分ごろ、石巻市中里4丁目の選挙事務所

 「皆さんのご支援がありながら、(当選に)至らず申し訳ありませんでした」。大林さんは午後8時半ごろ、石巻市中里4丁目の事務所で集まった支援者約10人に謝罪した。

 元岩手県釜石市議で、立候補を表明したのは公示の約1週間前。地盤のない土地で政治改革をうたい、消費税廃止や脱原発などを訴えたが「市民の目に触れる機会が少なく、票の掘り起こしができなかった」とベテランとの差を痛感。「チラシを全戸配布するなど、他の候補者と同等の戦いが必要だった」と準備不足を悔いた。

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