2024衆院選・宮城4区 安住氏圧勝、10選 伊藤氏、比例復活も逃す
第50回衆院選は27日投票が行われ、即日開票の結果、宮城4区は立憲民主党前議員の安住淳氏(62)が10万2229票を獲得し、自民党前議員の伊藤信太郎氏(71)=公明推薦=ら3氏を破って10選を果たした。伊藤氏は3万6613票差で敗れ、比例東北ブロックでの復活当選も逃した。
【衆院選宮城4区開票結果】(選管最終)
当102,229 安住 淳 立前(10)
65,616 伊藤信太郎 自前
15,581 佐藤 雄一 維新
12,913 大林 正英 れ新
区割り変更で旧4、5区が再編された4区は、それぞれに強固な地盤を持つ閣僚経験者2人が初対決した。東西85キロに広がり、沿岸部の石巻地方や塩釜市、仙台圏の富谷市、産業集積が進む黒川地域と特性のさまざまな選挙区となったが、安住氏が全12市町村で最多得票を得た。
旧5区で戦ってきた安住氏は新たな区割りが決まってからの2年半、有権者数の6割を占める旧4区で地道な集会を重ね、浸透を図った。選挙戦では「自民の裏金問題は派閥と世襲の政治が要因」と強調し、伊藤氏が元衆院議長の父宗一郎氏から引き継いだ地盤に食い込んだ。
出身地の石巻市では「地元出身者の議席を死守する」と訴え、伊藤氏の2倍近い3万2438票を獲得。終盤は全国の接戦区の応援で地元を離れたが、党派を超えた後援会が支え、政権批判票を取り込んだ。
伊藤氏は新たな選挙区での支持拡大を試みたが、直前まで務めた環境相の公務が多忙で思うように足を運べず、存在感を高められなかった。
選挙期間は裏金問題で党への逆風が強まる中、与党の強みや自身の「クリーンな政治」をアピールした。地元の首長や議員らがフル稼働し、党幹部も投入しててこ入れを図ったが、劣勢をはね返せなかった。
日本維新の会新人の佐藤雄一氏(45)は、昨年12月に党の4区の選挙区支部長に就任。若者への徹底投資を掲げたが、浸透不足が響き、大差をつけられた。
れいわ新選組新人の大林正英氏(60)は、市議経験のある岩手県釜石市から石巻市に拠点を移して出馬。消費税と原発の即時廃止を主張したが広がらなかった。
4区の当日の有権者は38万1842人。投票率は52.37%だった。石巻市は50.89%で前回(2021年10月)を4.08ポイント下回った。東松島市は52.30%で5.20ポイント低下。女川町は58.16%で5.49ポイント下がった。
比例東北 自民・森下氏が初当選、表情硬く「襟正して頑張る」
比例代表東北ブロック(定数12)では、自民党新人の森下千里氏(43)が初当選した。旧宮城5区の元支部長で、今回は区割り再編に伴い比例単独に回り、名簿2位に登載されていた。
石巻市開北1丁目の事務所に27日午後8時25分ごろ、当選確実の一報が入ると、集まった支持者約40人から拍手が沸いた。森下氏は「ここからがスタート。襟を正して頑張りたい」と決意を述べた。派閥裏金事件の逆風などで党が大きく議席を減らす情勢とあり、表情は終始硬く、万歳三唱は自粛した。
選挙期間中は県内各地を回り、宮城4区の伊藤信太郎氏ら党公認候補への支持を呼びかけた。石巻地方では地域振興の必要性などを訴えた。
名古屋市出身、名古屋学院大中退。元タレントで2019年に芸能活動を引退し、21年に党の旧宮城5区支部長に就任。同年の衆院選で立憲民主党の安住淳氏に約1万9000票差で敗れた。
森下氏は取材に「政治に対する期待の低さを感じる」と危機感を示し「宮城や日本を元気にしたい思いが強くなった。明るいニュースをつくっていけるように励みたい」と語った。
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