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使用済み燃料どこへ 東北電、搬出先と時期示さず 立地自治体、貯蔵の常態化懸念

女川原発2号機の燃料プール(手前)。今後増え続ける使用済み燃料を搬出するめどは立っていない=9月6日(代表撮影)

 東北電力女川原発2号機が29日、13年ぶりに再稼働した。その一方、今後増え続ける使用済み核燃料を原発外に搬出するめどは、現時点で立っていない。東北電は原発敷地内で一時保管する「乾式貯蔵施設」を整備する計画を進めているが、立地自治体からは「一時的な貯蔵が常態化しないか」と懸念する声が上がる。

 東北電によると、9月に行った2号機の「燃料装荷」作業では、2号機の炉心に560体の燃料集合体を収めた。原発を稼働するには燃料を定期的に交換する必要がある。新しい燃料に置き換えた使用済み燃料は、原子炉隣の燃料プールに貯蔵している。

 2号機のプールに保管できる燃料集合体の上限を示す「管理容量」は1680体で、現時点で空きは345体分。再稼働後、4年程度で埋まる計算という。満杯になると、原発は動かし続けられなくなる。

 東北電は、女川原発の使用済み燃料は再処理事業者に搬出するとしているが、具体的な時期と搬出先は明示していない。

 国は、使用済み燃料を再処理して利用する核燃料サイクル政策を推進する。しかし、国内唯一の商業用再処理施設である六ケ所再処理工場(青森県六ケ所村)は27回も完工延期を繰り返している。事業者の日本原燃は2026年度内の完工を掲げるが、目標達成の見通しは立っていない。

 東北電は今年2月、使用済み燃料の乾式貯蔵施設を女川原発敷地内に2棟建設する計画を明らかにした。原発のプール内で長期保管して発熱量が減少した使用済み燃料を、金属製の専用容器「キャスク」に入れ、空気で冷やしながら施設内で貯蔵する。

 東北電は、あくまで搬出までの一時的措置であることを強調する。ただ、その貯蔵期間について具体的な計画は示していない。

 立地自治体は2号機の再稼働には同意しつつも、乾式貯蔵施設の整備には「貯蔵が常態化する懸念がある」(斎藤正美石巻市長)と警戒感を示している。早期搬出を促す目的で、使用済み核燃料に課税する新税を導入する女川町も「女川は立地地域であり、最終処分場ではない」(須田善明町長)と東北電にくぎを刺す。

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