地域に応じた学校防災を 教員ら、連携構築へ会議 あす石巻・総合防災訓練
東日本大震災の教訓を生かして子どもの命を守ろうと、教育現場や石巻市の関係者が意見を交わす市学校防災推進会議が市防災センターで開かれた。2日に実施される市総合防災訓練を見据え、地域の実情に応じた防災体制の構築を議論した。
市教委が主催し、関係者約40人が出席。参加教員でつくる三つのワーキンググループ(WG)が活動内容を報告した。「防災管理」のWGは訓練を念頭に、地域防災連絡会の運営状況などについて発表した。
訓練当日は市立の小中高校は登校日扱いとなり、児童生徒が参加する。訓練は2段階で、「ステージ1」は地震発生時に身を守る行動を取るシェイクアウト訓練を自宅で実施。「ステージ2」では町内会ごとの防災活動に移行するが、地域の活動がない場合は学校に登校して訓練などに取り組む。
発表では湊地区を例に、学校と町内会の連携が課題に挙げられた。ステージ2を実施するのは地区の16町内会のうち6町内会で、参加する児童・生徒は約2割にとどまる見通し。発表した教員は「防災連絡会の役員の高齢化や地区ごとに温度差があることも課題だ」と指摘した。
防災管理WGは、学校安全マニュアルの改善点などについても報告した。「防災研修」「防災教育」の各WGもそれぞれ活動内容を発表した。
会議に参加する山形大大学院の村山良之客員研究員は「訓練における地域との連携は大変な課題だが、ぜひとも進めてもらい、石巻モデルとして全国へ広がるように取り組んでほしい」と講評した。会議は10月18日にあった。
石巻・総合防災訓練、全市挙げ備え
石巻市は2日、本年度の総合防災訓練を市内各地で実施する。巨大な後発地震への注意を呼びかける「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が出された想定で初めて実施。市立の全小中高校を登校日とし、児童生徒らも参加する。自主防災組織や町内会など地域ごとの訓練もあり、全市を挙げて取り組む。
訓練は前日の1日午後1時に三陸沖で地震が発生し、注意情報が出されたと設定。翌2日、マグニチュード(M)9.1の地震で市内で震度6弱を観測し、大津波警報が発表されたと想定する。
2日は午前8時半の防災行政無線などを合図に、市民が自宅などで「シェイクアウト訓練」に取り組む。8時33分から大津波を想定した避難訓練を開始。避難場所まで実際に移動し、経路や距離、所要時間などを確認する。津波の危険性がない内陸部などは土砂災害や水害を想定して避難する。
学校や自主防災組織を中心とした訓練は午前10時から。炊き出しなど地域の実情に合った訓練を展開する。
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