官民連携の場に 石巻・中瀬地区で社会実験、活用策探る 公園、2027年度完成予定
石巻市が公園化を進める同市中瀬地区で、官民連携の場としての活用策を探る社会実験が行われている。10月の1、2回目ではセミナーとデイキャンプを開催。実験は今月9、10の両日にも各1回あり、市民らに参加してもらいながら完成後の実施につなげる。
実験は市やまちづくり団体の有志らでつくる中瀬利活用マネジメント会議が主体となる。地区全域の4.6ヘクタールのうち、北上川下流側の南部エリア(2.0ヘクタール)が対象。
10月は中瀬で挑戦している養蜂を通して自然環境について考えるセミナーがあった。デイキャンプ体験では非常時に生かせる「キャンプ飯」講座も開かれた。
市の整備計画を基にした土地活用ビジョンは昨年度策定された。最低限のインフラ設備を整えて利用者らのニーズに合った空間をつくり、市民参加の庭園造りや水辺の環境を生かした事業、中瀬の歴史や震災の伝承といった活用案が盛り込まれた。
中瀬地区では公園化に当たり、南部エリアを含む面積の半分以上を1~2メートル盛り土をした上で、現在はインフラ設備工事を実施している。完成は2027年度を目指す。実験は来年度以降も継続する考え。
市都市計画課の担当者は「社会実験を通して事業化の可能性を探っていく。市民が関わることで完成後に多くの人に活用してもらいたい」と話す。
講演会や植樹、参加募集 9、10日
中瀬利活用マネジメント会議は9、10日の社会実験の参加者を募集している。6日まで。
9日午後6~8時には「一人一人の想(おも)いがつくる、街と公園のこれから」と題した講演会が市かわまち交流センターである。マネジメント会議のアドバイザーで、ランドスケープデザイナーの三島由樹さんが講師を務める。三島さんは都内の線路跡を活用して園芸や養蜂に取り組む「シモキタ園藝(えんげい)部」をはじめ、全国で市民主導型の公園造りなどを手掛ける。
10日は中瀬公園が会場。石巻市北上地区の被災跡地をよみがえらせる「平地の杜(もり)づくりプロジェクト」を進める一般社団法人ウィーアーワン北上が「土中環境から始めるメドウ・ガーデンづくり」と題したガイダンスと体験会を開く。桜などの植樹も予定する。午前9時~正午。
無料。定員は各30人程度で、定員に達し次第締め切る。専用のQRコードから申し込む。連絡先は事務局の市都市計画課0225(95)1111内線5614。
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