いしのまき食探見 >サトイモ 煮て揚げて、万能の食材
海と山とで育まれる豊かな石巻地方の食材。伝わる文化と技を生かした郷土の「食」を紹介する。
サトイモ
芋煮のメイン食材となるサトイモ。行楽の秋、屋外で食べる芋煮汁は格別だ。
収穫期を迎えたサトイモを取材しようと先日、自宅敷地内の家庭菜園で「土垂(どたれ)」と呼ばれる品種を栽培する石巻市北境の無職阿部尚子さんを訪ねた。サトイモの栽培歴は50年という。
今年は5月初旬、芽が出た種芋を株間40センチほど空けて、芽を上に向けて15センチの深さで30株を植え付け、土寄せ、追肥などを行って管理した。1株収穫した阿部さんは「作柄も良好で、20個ほど収穫できた」と話した。
同市中里5丁目の直売所「ふれあいいちば菜花」に出荷する以外は米袋に保管して自宅で調理して食べる。「けんちん汁や煮物、みそ田楽にするとおいしい」
石巻市健康推進課によると、サトイモに含まれるカリウムには体の塩分を外に排出し、血圧を下げる働きがある。食物繊維は便通を良くし、ガラクタンは消化を促し腸内環境を整えてくれる作用があるという。
「ねっとりした食感とほくほくとして優しい味わいが魅力。煮ても揚げてもサラダにしても汁物にしても良しの万能食材」と同課の管理栄養士。「いろいろな調理法で旬の食材を味わってほしい」と話す。100グラム当たり53キロカロリーと低カロリーだが「食べ過ぎると太るので1日3個ぐらいが目安」という。過剰摂取は禁物だ。
(浜尾幸朗)
<メモ>
サトイモは糖質をエネルギーに変える働きを補助するビタミンB1や、皮膚や粘膜を丈夫にする働きがあるビタミンB6を含む。石巻市健康推進課はサトイモをポテトサラダ風にした「サトイモの和風サラダ」をお薦めメニューとして提案、レシピを市ホームページで紹介している。
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