石巻出身の彫刻家・高橋英吉の軌跡たどる 市博物館開館3周年 トークや映画上映
石巻市開成の石巻市博物館が開館3周年を迎え3日、同館で記念イベントを開いた。石巻市出身の彫刻家高橋英吉(1911~42年)を紹介するトークイベントなどの催しがあり、訪れた市民が、英吉の創作活動や地域に与えた影響などについて学んだ。
「高橋英吉をめぐる市民運動」と題したトークイベントでは、地域ジャーナリスト鈴木孝也さんが、英吉の影響を受けた石巻市民について話題提供。遺作展を開いた橋本晶、行方不明だった作品「潮音」を探し出した稲井善次郎、英吉の生涯を描いた映画「潮音-ある愛のかたみ」の企画に関わった石島恒夫(いずれも故人)らを紹介した。
この日は、1984年3月に石巻市民会館で公開された同映画も上映した。鈴木さんは映画について「英吉の作品の素晴らしさと、若き芸術家の未来を奪った戦争の悲惨さを伝えている」と説明。その上で「これからも文化を受け継ぐようなリーダーが誕生してほしい」と述べた。
トークイベントに聞き入った石巻市新橋の公務員今野秀明さん(59)は「英吉は子どもの頃から知っているが、その活動にあらためて触れ、感動した」と話した。地元の劇団による英吉を題材にした作品に橋本晶役で参加したことがあるといい、「次世代に伝えたいという思いも高まった」とも述べた。
この日はオープン3周年記念イベントの一環で、英吉の作品などが並ぶ常設展示室の観覧が無料となり、学芸員による展示解説も行われた。
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