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港町文化巡り意見続々 石巻学プラスワン 大学院生・臼井さん地域調査、発表

壇上で大島さん(右)と港町・石巻の文化について意見を交わす臼井さん(奥左)

 石巻の魅力を探る場づくりイベント「石巻学プラスワン」が、石巻市立町2丁目のラ・ストラーダであり、東京科学大(旧・東京工大)大学院生の臼井千尋さん(25)が「石巻地域に根付く文化」について発表した。参加者との質疑応答もあり、港町が育んだ文化を巡り活発な意見が交わされた。

 臼井さんは4月から月1回の割合で同市を訪れ、演劇や映画、音楽などの活動に携わっている人たちを取材。石巻に根差した文化がどのように変化しながら、東日本大震災後の今に続いているのかを探っている。

 発表は中間報告の形で行われた。臼井さんは10年に1度のカンタータ「大いなる故郷石巻」公演や彫刻家・高橋英吉顕彰運動、市民有志による映画上映会、いしのまき演劇祭に至るまでの流れなどを例に発表。「街を元気づけたい、人のつながりを広げたいという市民の熱量が、港町に独自の文化を育んできたのでは」と推論した。

 質疑応答では石巻学プロジェクト代表の大島幹雄さん(71)が「個人の力が熱源になった」と強調。リモートでさいたま市から参加した石巻市出身の写真家橋本照嵩さん(84)は「石巻への思いが原動力になっている」、市芸術文化振興財団前理事長の阿部和夫さん(86)は「熱量イコール市民の熱意だと思う。何とかしようという思いが強い」と語り、俯瞰(ふかん)的に石巻の文化を捉えようとする臼井さんの今後の調査に期待と関心を寄せた。

 イベントは10月22日にあった。臼井さんは来年1月ごろ、修士論文にして発表する。

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