テロ対策訓練、不審船侵入を想定 海保、石巻署、消防など連携
官民で組織する「仙台塩釜港石巻港区保安委員会」は12日、テロに重点を置いた保安総合訓練を石巻市の石巻港中島埠頭(ふとう)で実施した。石巻海上保安署や石巻署、石巻地区消防本部など24機関から計約50人が参加。海上と陸上の訓練を通して関係機関の連携を確認、強化した。
海上訓練は、テロリストの乗った不審船が侵入した想定で行った。停船命令や警告具の投てきを無視して湾内を航行する不審船を、同保安署の巡視艇「しまかぜ」と県警の警備艇「金華山」が追跡。銃撃戦になった後、不審船のエンジンを停止させて同保安署員が乗り込み、テロリストを確保した。
陸上では、港をうろつく不審者を警備員が発見した想定で実施。現場に駆けつけた石巻署員が、銃を手にしたテロリストに発砲するなどして取り押さえた。消防本部の救急隊は負傷した警備員を救護し、搬送。仙台塩釜税関支署石巻出張所の職員がテロリストが残した荷物を確認した。
訓練は2004年から、東日本大震災があった11年を除き毎年行っている。同港ではこれまで、テロリストの侵入はない一方、ヨットなどが迷い込む事案では万が一を想定し、不審船として対応している。
県石巻港湾事務所の雫石光治所長は「国際情勢を見れば、テロは日本でも無縁ではない。国際埠頭である石巻港でも関係機関と連絡を取り合い、有事の際に対処できるようにしていく」と話した。
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