孤立地区を救え 石巻でも災害対応訓練「みちのくアラート」 陸自東北方面隊
陸上自衛隊東北方面隊の大規模災害対応訓練「みちのくALERT(アラート)2024」が東北各県で始まった。石巻市渡波の渡波海水浴場付近では16日、ホーバークラフト型揚陸艇による車両揚陸、ヘリコプターでの人命救助などの訓練が行われた。
訓練は岩手県沖を震源とするマグニチュード9.1の地震が発生し、津波で孤立する地区が出ているとの想定。車両や物資など最大50トンを積載できる海上自衛隊の揚陸艇「LCAC」が大型重機ホイールローダーを海から陸揚げし、重機でがれきを撤去して道路を確保した。
陸自や仙台市消防局のヘリコプターは、津波避難タワー屋上の要救助者をつり上げて収容。同市河北地区の飯野川橋付近では、新北上川に浮橋の仮設橋を設置した。市内での各種訓練は17日もある。
東北方面総監部防衛課長の三本木大士(たいし)1等陸佐は取材に、東日本大震災当時を知る隊員が3割程度まで減り、震災の教訓が風化していると説明。「訓練を通してもう一度意識を高めながら、関係機関との連携を再確認して災害時に1人でも多くの命を救えるようにしたい」と述べた。
4回目となる同訓練は15日に始まり、隊員約3400人、東北6県の71自治体、消防や警察、企業など53関係機関が参加して24日まで実施する。新型コロナウイルス感染症の影響で、実動訓練を行うのは6年ぶり。
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