ジャパン・フード・セレクション 石巻金華茶漬け、最高賞 地元10社連携「復興の象徴に」
石巻市の水産加工会社など10社で構成する「石巻うまいもの株式会社」が手がける「石巻金華茶漬け」シリーズが、第81回ジャパン・フード・セレクション(一般社団法人日本フードアナリスト協会主催)で最高賞のグランプリに選ばれた。大ぶりな具材の満足度、地元産の海産物の活用、商品開発のストーリー性などが評価された。同社は受賞を喜ぶと同時に「今後も新しい商品を作っていきたい」と意気込む。
石巻金華茶漬けは、主に県内で水揚げされた海産物を具材に使い、市内で加工。各社がそれぞれが得意とする素材を担当し、ギンザケ、サバ、タラコ、カキ、ホヤなど計14種類のお茶漬けを製造している。
サバやタイは香ばしく焼いて特製の白だしに漬け、ホヤは酒で蒸すなど、素材によって異なる調理法で仕上げた具材がふんだんに使われている。価格は2食入り864円。贈答用にも人気で、2018年の商品化以来、累計販売数は190万食を超えた。
ジャパン・フード・セレクションは13年に始まった食品・食材の評価制度。協会が認定したアナリストが審査する。石巻金華茶漬けは審査で「具材が大きく立派」「復興の象徴となるストーリー性がある」「バラエティー豊かな味が楽しめる」などの評価がされ、今月受賞が決まった。
同社は東日本大震災をきっかけに16年設立。企業連携によるノウハウや工場の共有、販路拡大を図りながら商品開発に取り組んでいる。石巻金華茶漬けは共同ブランド商品の第1弾として発売。これまで「新東北みやげコンテスト」の特別賞などにも選ばれた。
受賞発表会が18日、同市魚町2丁目の市水産総合振興センターであり、関係者向けに商品の試食や展示が行われた。木村一成社長(66)は「大きな賞を頂き、10年間やってきたことが間違っていなかったと自信につながる。これからも新しい商品を作り提案していきたい」と話した。
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