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いしのまき演劇祭盛り上げ 「劇団 球」、朗読で魅せる ワークショップも

 開催中の第6回いしのまき演劇祭で24日、東京の「劇団 球」が初めて登場し、オリジナル朗読劇「血-BLOOD-」を石巻市中央1丁目のシアターキネマティカで上演した。参加を待ち望んでいた演劇ファンは多く、東京や愛知県からも駆けつけて舞台を楽しんだ。23日には演劇ワークショップも開催し、演劇祭実行委員会が目指す「芝居の面白い街づくり」に一役買った。

オリジナル朗読劇で観客の心を捉えた(左から)森さん、三好樹里さん、田口さん=24日、シアターキネマティカ

 球は東日本大震災後の2014年から、被災地支援として石ノ森萬画館(石巻市中瀬)でミニ公演を行ってきた。演劇祭への参加は念願で、萬画館を運営する街づくりまんぼうの後押しもあり実現した。

 「血-BLOOD-」は球代表の田口萌さん作・演出の作品。テレビドラマ「超獣戦隊ライブマン」などで人気を博した森恵さんを客演に、田口さんら球のメンバー3人が出演。代理母出産を題材にした母と娘の愛を巡る朗読劇に挑んだ。目の前にカメラがあるかのように正面を向いて演じたり、台本を持たずに表現したりと4人の俳優の熱演が観客の心を捉えた。

 東京から訪れた40代女性は「被災地での演劇祭に興味を持った。居心地のいい空間で堪能できた」と感激していた。

 田口さんは「演劇祭でようやく球の芝居ができた。すてきな体験になった。来年も来たい」と話した。

 演劇ワークショップは交流・創作活動拠点「いしのまき MANGA lab.ヒトコマ」(同市中央2丁目)で開き、想像力を生かす楽しさを伝えた。参加した同市飯野川小6年の塩田野乃花さん(12)は「セリフと動きを一緒にするのが難しかった。でも楽しかった」と声を弾ませた。

ワークショップでは団員と市民が一緒に球のオリジナル劇「リバース」に挑戦。表現することの楽しさを学んだ=23日、ヒトコマ

■演劇祭トリは「キキカン」

 2日に開幕した演劇祭は大詰めを迎えた。最後を飾るのは地元宮城の演劇ユニット「キキカン」。30日、12月1日の2日間、シアターキネマティカで行われる。連絡先はishinomaki.engekisai@gmail.com

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