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網地島産サツマイモ、「ふるさと小包」2年目 島で出発式 風土育む味評判

貯蔵庫でサツマイモの選別作業を行う高橋さん(左)と雅恵さん
関係者がテープカットで発送開始を祝った出発式

 石巻市清水町1丁目で生花店を営む高橋聖公(まさひろ)さん(59)が同市の離島・網地島で取り組むサツマイモ栽培が順調に規模を拡大している。島の風土が育む独自の味わいが評判を呼び、昨年に続いて日本郵便が手がける「ふるさと小包」に採用された。今季の発送が2日始まり、高齢化と人口減少が進む島の住民たちは「島を全国に発信し、島おこしにつながってほしい」と期待を寄せる。(相沢美紀子)

 花の行商で約30年間、島を訪れていた高橋さんは、本業の傍ら2021年から島の耕作放棄地を借りて、妻雅恵さん(55)とサツマイモ栽培に取り組む。面積と収量は年々拡大し、3年目の今年は8カ所の畑約7500平方メートルで、紅はるかなど5品種計約9.5トンを収穫。空き家を購入して整備した貯蔵庫で1カ月以上熟成させて甘みを引き出す。

 潮風を浴びて育ったイモは、甘みとともに塩気があるのが特徴。高橋さんは「今季は特にあまじょっぱさが強く、濃厚な味。天候にも恵まれ品質は上々」と胸を張る。今年は干し芋の製造も始めた。経営する生花店には乾燥機を導入した。島に借りた家との2拠点生活で製造と出荷に励む。

 網地島郵便局であった出発式では関係者がテープカットを行い、発送開始を祝った。県内や関東、北海道などに発送する計80箱(1箱5キロ入り)を船に積み込んだ。

 同郵便局によると、昨季は2週間で223箱が完売。今季はリピーターの注文も多く、高橋秀一郎局長(65)は「300箱以上を用意できそうだが、早めに注文してほしい」と話す。

 ふるさと小包の注文は郵便局やオンラインで受け付け中。紅はるか5キロ4200円、干し芋は660グラム4500円(ともに送料込み)。同市清水町1丁目の「フローリスト・クラウン」では焼き芋も販売する。連絡先は高橋さん090(3642)3122。

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