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石巻市議会 3文化施設指定管理者の変更、実績などに懸念相次ぐ

 石巻市議会12月定例会は4日、本会議を開いた。指定管理者指定の議案審議で、市複合文化施設(マルホンまきあーとテラス)と市河北総合センター、市遊楽館の3施設の管理者を来年度から変更する方針を巡り、議員から懸念の声や質問が相次いだ。

 市によると、3施設の指定管理者の公募には、現在請け負う公益財団法人石巻市芸術文化振興財団と、新たに選定された民間団体「いしのまき・みらいクリエイション」が応募した。クリエイションが提案した施設利用のオンライン予約やキャッシュレス決済に対応する内容などが評価され、審査の合計点で上回った。

 議員は「財団は三十数年、芸術文化の振興に尽力してきた。クリエイションの構成団体は法人設立から1年もたっていない。実績などを十分に精査したのか」と質問。市教委事務局は「(構成団体2者のうち)もう一方の団体は利府町や塩釜市で文化施設の指定管理の実績がある。適正に管理できると判断した」と答えた。

 3施設の指定管理で初めて公募を実施した理由について、市は、複合文化施設の開館から3年以上が経過したことや、民間ノウハウの活用、透明性や競争性の確保などを理由に挙げた。財団の職員に関しては、クリエイションから継続雇用の申し出があるという。

 本会議では財産の処分など7議案を原案通り可決、2024年度一般会計補正予算案(累計754億6456万円)など24議案を関連委員会に付託した。財産処分では、上釜南部地区被災市街地復興土地区画整理事業で造成した産業用地の約8950平方メートルを、いすゞ自動車に1億8795万円で売却する。市によると同社は修理工場と店舗用地としての活用を計画する。

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