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災害対策、知見深める 県内高校生25人、防災ジュニアリーダーに 石巻で研修

真剣な表情で話を聞く生徒たち
災害から身を守る大切さを話す佐藤教授

 地域防災の次世代の担い手を育成する「みやぎ防災ジュニアリーダー養成研修会」(県教委主催)が14日、石巻市河北総合センターで開かれた。県内高校12校の生徒25人が講義やワークショップを通して災害対策について知見を深め、みやぎ防災ジュニアリーダーに認定された。

 石巻地方からは石巻高、石巻好文館高、石巻工高、石巻商高、石巻北高と飯野川校、東松島高の7校が参加。講義には同市青葉中の平塚真一郎校長と、東北大災害科学国際研究所の佐藤健教授が登壇した。

 佐藤教授は「自然災害の基礎と地域における災害対策」と題して、建物の構造に違いや、災害リスクを減らす具体的な取り組みについて説明した。

 佐藤教授は、耐震構造は骨組みが激しい揺れに耐えているだけで、室内が揺れないわけではないと解説。実際に大地震に見舞われた耐震と免震構造の建物の室内の写真を比較し、「建物が耐震構造であっても、室内の対策は必要」と訴えた。

 その上で「災害リスクを減らすためには、家具を固定するだけでなく、避難経路や命を守るために家具の配置などを検討し直す必要がある。自分ごと、家族ごととして災害を捉えてほしい」と話した。

 災害時の避難所運営を疑似体験するゲーム「HUG」なども実施。避難所で想定される事案を検討し、班ごとに話し合いながら取り組んだ。

 東日本大震災後に石巻市に移住した石巻好文館高2年の鈴木大冴さん(16)は、1年時の授業で災害について調べ、興味を持ったため参加した。鈴木さんは「避難場所は家族と話し合って決めているが、家具の配置までは考えていなかった。今後、災害の前にどんな対策ができるのかいま一度家族と話し合い、友達とも知識を共有したい」と話した。

 ジュニアリーダーの養成は2017年度に開始。研修会は15日、仙台・県南地域でも実施。仙台市内の高校を中心に20校から約90人が同市青葉区の県自治会館に集まり、研修を受けた。

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