復興支援に感謝 女川中生、来月カタールへ 結団式で抱負 交流深め異文化学ぶ
女川町は23日、東日本大震災からの復興を後押ししてくれた中東のカタールに来年1月中学生を派遣する事業の結団式を、町生涯学習センターホールで開いた。現地の高校生や大学生と交流を深めながら異国の文化を学ぶほか、これまでの支援への感謝を伝え、現在の復興状況を報告する。
派遣団は女川中1、2年生計6人のほか、団長を務める平塚隆教育長ら引率者を含め11人で構成。生徒は全学年に声をかけて希望者を募り、作文や面談を通じて選抜した。
来年1月20日夜に出発し、25日に町に戻る。21日から首都ドーハで活動する計画で、在カタール日本大使館や、震災の被災地復興に資金を援助している団体「カタールフレンド基金」を訪問し、生徒が日本語や英語で学校生活、町の魅力を写真で紹介するという。
須田善明町長は「感謝を伝えるだけでなく、感じたことを今後にどう生かすかも大事だ。積極的に学んできてほしい」と激励。
生徒を代表し、目時仙太郎さん(2年)が「事業の目的を理解し、社会情勢を詳しくなり、国際社会に貢献できる人になる。自分たちが両国の架け橋となれるようにしっかり活動したい」と抱負を語った。
カタールは震災後、2012年に完成した大型冷蔵庫「マスカー」や20年にできた女川小中の校舎の建設費を支援している。
女川町は東日本大震災前の2010年まで、夏に中学生をカナダに派遣する事業を展開していた。生徒の海外派遣事業は15年ぶりで、今後2年に1度のペースで実施していく。
平塚教育長は「生徒はこれまでの人生で見たことや感じたことのない経験する。人として目に見える形で成長するのはもちろん、得たものを町に還元してくれるはずだ」と期待した。
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