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子どもと大人、遊びで交流 鹿又小で「小さなフェスティバル」 学校運営協が企画

 子どもと大人が一緒に遊びながら交流する「小さなフェスティバル」が14日、石巻市鹿又小(児童293人)体育館で開催された。児童や保護者ら約60人が参加し、ゲームや健康体操などを楽しんだ。

協議会の委員と一緒に餅つきを楽しむ子どもたち

 学校運営に地域住民らが参画するコミュニティ・スクール(CS)の一環として、同小の学校運営協議会が主催した。河南地区のジュニアリーダー「河南アパッチ・ボランティアサークル」の中高生が協力。参加者たちと、じゃんけん列車や手遊びなどを通して仲を深めた。

 餅つきでは、臼ときねを初めて見る子どもが多く、目を輝かせていた。子どもたちは大人と一緒に一生懸命餅をつき、できあがった餅を味見。その後、正月飾りの目玉木作りに取りかかった。

 参加した同小2年徳江雅さん(7)は「楽しかった。また遊びたい」と笑顔だった。

 地域では年々、子ども会の活動が減っているという。保護者からは「子ども同士のつながりはもちろん、地域のみんなで子どもを育て、見守る環境があるのはありがたい」という声が出ていた。

地区全体のイベントに

じゃんけん列車を楽しむ子どもたち

 「小さなフェスティバル」は下火になる地域の輪を復活させ、広げていくための足掛かりにしたいと、学校運営協議会が企画した。イベントの合言葉は「つなげよう鹿又の輪」。

■震災後の移住者多く

 同協議会の大森竹秀会長(50)は「地区内には東日本大震災後に移住してきた人も多く、隣近所に誰が住んでるか分からないことも多々あり、住民同士の接点が少ない」と現状を語る。その上で「つながりが深くなれば互いに助け合うことができる。地域を見守る監視の目が増えれば、地域の安心安全にもつながる。行事に参加し、まずは地域と関わるきっかけを持ってほしい」と語る。

 浦山正幸校長は「子どもたちにとっては、地域との関わりがいずれ地元への愛着になる。大人になれば、その愛着が地元や別の町で地域のために何かしたいという気持ちに変わっていく」と活動の意義を語る。

 フェスティバルは今後、小学校だけでなく地域の企業や高校など地区全体を巻き込んだ大きなイベントを目指している。

■活動に人材が不足

 協議会の運営には課題もある。メンバーは全員がボランティアで仕事をしている人もいる。大森会長は「それぞれに家庭や事情があるため、ずっと続けられるわけではない。協議会がこれからも活動するには、人材が圧倒的に足りていない」と語る。「お手伝いでもいいので、地域の人に少しでも関わりや関心を持ってもらいたい」と話す。

 鹿又小の学校運営協議会は2022年度に本格的に活動を始め、現在は保護者や地域住民、教職員ら14人が所属する。防災、家庭、協働教育の三部会に分かれ、見守り活動や防災訓練への協力、演芸鑑賞会実施など活動は多岐にわたる。

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