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巳年に輝く 挑戦2025 > コバルトーレ女川 佐藤稜馬さん(石巻市)

2024年の東北社会人サッカーリーグ1部の試合でゴールを狙う佐藤さん。今季は「公式戦30得点」を目標に掲げる

<若武者、JFL昇格導く>

 昨季の東北社会人サッカーリーグ1部で8得点を挙げ、コバルトーレ女川のチーム得点王になった佐藤稜馬さん(19)。高校1年から女川でプレーする若武者は昨季、天皇杯県予選などを含む公式戦で計15得点と大ブレーク。今季の目標を「昨季の倍、30得点」と掲げる。

 身長188センチ、体重82キロの堂々たる体格。ゴール前での嗅覚も備え、高さのあるヘディングなどで得点を重ねる。加入後2年間は膝の成長痛で試合出場すらままならなかったが、徐々に出場時間を増やし、押しも押されもせぬフォワード(FW)陣の柱に成長した。

 ただ、満足はしていない。「昨季の序盤は伸び伸びとプレーできたが、後半はシュートできる場面で迷うなど前向きなプレーができなかった」という。目指すのはノルウェー代表のハーランド選手。イングランド・プレミアリーグの強豪マンチェスター・シティーでゴールを量産する万能型FWのように、ピッチを支配する姿を思い描く。

 石巻市出身。父が女川町の水産加工会社に勤務していた縁もあり、5歳で女川のアカデミー(育成部門)に入った。大きな岐路に立ったのは中学卒業時。コバルトーレは高校年代のユースチームがなく、進学先の宮城水産高にはサッカー部がなかった。

 その潜在能力を高く評価した当時のチームから誘いを受け「コバルトーレも女川の町も好きだから」(佐藤さん)と女川のトップチーム入り。中学卒業から社会人チーム入りという「第三の道」は相当レアなルートだった。高校に通いながら週末、社会人や大学生のチームと対戦を重ねてきた。

 葛野昌宏監督(49)は「プレーに即興性があり、非常に面白い選手。驚くほどのスピードで成長している」と評価する一方「一つ上のJFL(日本フットボールリーグ)でやるなら、もうひと皮ふた皮むける必要がある。さらに上を目指す意識を持ってほしい」と注文する。

 本人も課題を自覚しており「強いチームが相手でも貪欲にゴールを決められる選手になる」と強調する。今季自身に課した「公式戦30得点」を実現できれば、チームの目標達成も近づく。「応援してくれる女川の人たちのためにも、今季こそJFLに昇格したい」
(都築理)

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