猛暑から作物守る 県、石巻で施設園芸セミナー 農家ら高温障害対策学ぶ
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気候変動などの影響で夏に猛暑となる年が続く中、県東部地方振興事務所は9日、施設園芸の安定生産に向けたセミナーを石巻市の県石巻合同庁舎で開いた。生産農家や農協、市町の担当者ら約60人が参加し、作物の高温障害への対策などを学んだ。
県によると石巻地方では近年、猛暑によるトマトやパプリカの落果、夏ネギの生育不良といった農家からの相談が増えており、対策に役立ててもらおうとセミナーを企画した。
千葉大大学院園芸学研究院の中野明正教授は、気温が3度上昇すると作物の成長率が12~18%低下するといった具体的なデータを示しながら、高温障害の発生メカニズムを説明。遮光フィルムや気化冷却システムなどを活用した対策について紹介した。
高温障害に関して中野教授は「一気に解決することはできない。障害の発生メカニズムをしっかり理解した上で、複数の対策を組み合わせて取り入れることが効果的」と助言。沖縄県やインドネシアでのイチゴやトマト栽培の実証実験の成果も報告した。
セミナー後半では、宮城大食産業学群の伊吹竜太講師が、ビニールハウスなどの園芸施設で、送風機を使って温度や湿度を効果的に管理する手法を説明した。石巻地方の気象条件も解説しながら、暖房費の軽減につながる同手法の普及を呼びかけた。
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