被災者支える一箱 災害備蓄セット、今年初出荷 石巻・就労支援施設利用者が梱包
石巻市不動町1丁目の市障害者地域活動支援センター「みどり園」は就労活動の一環で6日、災害支援会社ガーディアン72(G72、東京)が販売する災害時の備蓄セット「G72BOX」の梱包(こんぽう)作業を行った。今年の初出荷もあり、記念のセレモニーも開かれた。
G72BOXは、災害発生後72時間を生き延びるために必要な水やレトルト食品、簡易トイレなど75品を詰め合わせている。衣類は1箱にサイズをあえてバラバラに入れて、使用する避難所内の人同士がやりとりできるよう、コミュニケーションのきっかけづくりとしている。1箱3万5000円で、約12キロある。
昨年12月に本格的に作業を開始し、同施設の利用者30人と職員7人が交代で作業に携わる。6日は利用者と職員で35箱に製品を詰め入れ、トラックに積んだ。梱包した箱は計130個に上った。
セレモニーでは、梱包作業を委託するG72の有馬朱美代表(62)が作業に携わった利用者らに対し「災害が発生した時、BOXは被災者を支える大きな力になる。皆さんも災害を経験したと思うが、これを強みとして生かしてほしい」と感謝した。
みどり園を運営する石巻市社会福祉協議会の林久善会長は「1人につき3日分の命をつなぐことができる。利用者の皆さんの力で出荷につなげられたことをうれしく思う」と話した。
この日はG72BOXが福島県古殿町に70箱、千葉県一宮町に60箱出荷された。
梱包作業の委託契約は、施設利用者の活躍の場を増やそうと、2023年11月に結ばれた。
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