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「命守る意識、重要」 茨城の大学生、震災の教訓学ぶ 犠牲園児と同世代

送迎バスの発見現場で佐藤さん(右)の講話に耳を傾ける学生ら=石巻市門脇町

 石巻市の日和幼稚園遺族有志の会の佐藤美香さん(49)が13日、東日本大震災で亡くなった長女愛梨ちゃん=当時(6)=と同世代に当たる茨城県の学生3人に、震災の記憶や教訓、命を守る大切さを語った。

 3人は、いずれも筑波大1年で茨城県つくば市の高見堂基博さん(19)、島田流空(りく)さん(19)と戸張成彦さん(18)。佐藤さんは愛梨ちゃんを含む園児5人が送迎バスで津波と火災に遭い、亡くなった経緯を説明。石巻市震災遺構門脇小やバスの発見現場、慰霊碑などを回り「海辺の保育所にいた子どもは避難して助かった。子どもの命を守る大人の意識が重要だった」と語った。

 佐藤さんは「娘と同世代の皆さんには命を大切に生き抜いてほしい」と呼びかけた。高見堂さんは「現場を見て歩き、被害の実態をより肌身で確かめられた」と話し、島田さんは「震災の記憶や教訓を風化させないよう周囲に伝えたい」と語った。戸張さんは「勇気や覚悟を持って語る佐藤さんの思いを未来につなげたい」と力を込めた。

 3人は学内のボランティアサークルの一環で南三陸町の任意団体が主催するプログラムに参加。11~13日に同町や石巻市、気仙沼市などで活動した。

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