出島大橋開通 促進期成同盟会、活動に幕 「全ての人ねぎらいたい」
女川町の離島・出島と本土を結ぶ出島大橋の実現に向けた島民組織「出島架橋促進期成同盟会」は14日、島内で解散総会を開いた。1979年に設立され、根強い要望活動で架橋工事の着工を後押しした。昨年12月19日、悲願だった橋の開通を受けて使命を終え、46年間の活動に幕を下ろした。
出島集会所で開かれた総会には、期成同盟会の須田勘太郎会長(84)ら島民、須田善明町長ら約40人が出席。須田会長は、会の活動を振り返り「これまでに担当してくれた役場職員や会の歴代役員など、関係する全ての人をねぎらいたい」とあいさつした。
須田町長は「開通後初めての年越しは、これまでにない喜びがあっただろう」と語り、その上で「(橋開通の)目的達成で期成同盟会は解散するが、もっとよい未来を描くため共に歩んでいこう」と島民に呼びかけた。
期成同盟会の国や県に対する熱心な要望活動が実り、橋は2015年に建設が決まった。東日本大震災で加速する人口減少の歯止めと島の復興に向けて、町が事業主体となって17年に本体工事に着工。約168億円をかけて昨年11月末に事業が完了した。
1日3便の巡航船で約20分かかった島内の出島地区と町中心部とのアクセスは車で15分ほどになり、利便性が向上した。同盟会によると、多い日で一日600~700台の車が島に渡っているという。
その一方、島の人口90人(昨年11月末時点)の多くが高齢者。昼夜問わず島に人が来ることで防犯面で不安を抱いている島民もおり、町では防犯カメラの設置を検討している。
須田会長は総会後の取材に「釣り客のマナー向上やごみのポイ捨て禁止など、呼びかけることはたくさんある。今後も気になることは町に相談して、島民の生活を守っていきたい」と話した。
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