石巻市の投票区再編 次期市長選から当日79カ所 期日前投票4割近く
石巻市選管は、任期満了に伴う市長選と市議補選(4月20日告示、27日投開票)から、新たな投票区を適用する。期日前投票の増加、職員配置の効率化、東日本大震災後の人口分布変化などを踏まえ、有権者数や投票区の面積、地域の実情に応じて当日投票所を新設・廃止。現行の105カ所を79カ所に再編する。投票区の大規模な見直しは、震災後に行われた2011年の県議選以来。
新たな投票区の導入は市選管が昨年発表した。有権者500人未満の小規模投票区を減らす一方、同3000人超で区域の広い投票区や、震災後に人口が集中した地域などに、新たな投票所を設ける。
再編に伴い、市内各地区の投票所は本庁地区40カ所(7カ所減)、河北10カ所(同)、雄勝2カ所(1カ所減)、河南14カ所(6カ所減)、桃生6カ所(1カ所減)、北上3カ所(2カ所減)、牡鹿4カ所(2カ所減)となる。
市選管によると、現行の各投票区の有権者数(2023年12月時点)は最大4933人、最小30人と大きな幅があり、500人に満たない小規模な選挙区も45カ所ある。また、投票者全体の4割近くが期日前投票を行っており、今後も当日投票所の利用減少が予想されるという。
市選管は投票所を集約する一方、投票機会や移動支援の充実にも取り組む。4月の市長選、市議補選では、半島部や牡鹿、雄勝両地区の一部地域で、移動式の期日前投票バスを運行。期日前投票所を現行の16カ所に加えて桃生地区に1カ所新設し、イオンモール石巻の開設期間も3日間から6日間に延長する。河北、河南、北上の一部地域では、当日投票所への無料巡回バスを運行する。
石巻市内の投票区を巡っては、05年の1市6町合併後初めて実施した市長選と市議選で、利便性を考慮し合併前と同じ137投票区を適用。11年の震災で多くの投票所が被災したため、震災後最初の選挙となった県議選は104投票区で実施した。その後、震災復興に伴う人口分布の変化に合わせて現行の105投票区になった。
市選管は今月、再編に関するチラシを全戸配布するなどして周知を進める。各種選挙の投票率は合併や震災の影響などで全般的に低下傾向にあるといい、馬場貴司事務局長は「震災の復興事業を経て今の街の形に落ち着いたことに合わせ、利便性を図りながら投票しやすい環境づくりを進めたい」と話す。
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