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いしのまき食探見 >チンゲンサイ 肉厚な茎、食べ応えあり

チンゲンサイの収穫作業に精を出す鈴木さん
「チンゲンサイとベーコンのクリーム煮」(左)と「チンゲンサイの梅肉和え」

 海と山とで育まれる豊かな石巻地方の食材。伝わる文化と技を生かした郷土の「食」を紹介する。

チンゲンサイ

 中華料理の具材として目にすることが多いチンゲンサイ。その魅力を探ろうと、収穫期を迎えた石巻市の生産農家を訪ねた。

 栽培歴が約20年に及ぶ同市和渕の鈴木愛子さん(71)は、ハウスで「頼光」と呼ばれる品種を1000株作付けしている。

 昨年10月10日ごろにたねをまき、育苗してハウスに定植。12月中旬に収穫を始めた。草丈が25センチ程度に伸び、茎の尻部が張ってきた時を目安に収穫する。同市恵み野6丁目のグリーンサムいちばに出荷している。

 鈴木さんは「葉の緑が鮮やかで、おひたし、炒め物がお薦め。卵やシイタケも入れてスープにしてもおいしい」と太鼓判を押す。

 石巻市健康推進課によると、チンゲンサイには強い抗酸化作用があり、がんや生活習慣病の予防効果が期待できるベータカロテンが豊富。葉酸やビタミンCのほか、カルシウムなどミネラルも多く含まれる。

 「アクがほとんどなく、煮る、焼く、炒める、蒸すなど、どんな調理方法でも鮮やかな緑色が保たれる」と同課管理栄養士。クリーム煮などに向くと言い「栄養価では劣るが、肉厚な茎は小松菜やホウレンソウにはない食べ応えと食感を楽しめる」と魅力を語る。

 冬場は血圧が上昇しやすい。チンゲンサイなど野菜に含まれるカリウムには正常な血圧を保つ働きがある。積極的に摂取したい。
(浜尾幸朗)

<メモ> 
 中国由来のチンゲンサイは、日本に最も広まった中国野菜の一つ。シャキシャキとしていて、ほのかに甘みがあり、煮崩れしないのが特徴。西洋料理にも合う。石巻市健康推進課は「チンゲンサイのおろし和(あ)え」など、チンゲンサイを使った料理メニューのレシピを市ホームページで紹介している。

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