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初期消火で本尊守れ 文化財防火デーに訓練 石巻市北上・洞泉院

初期消火の訓練を行う白嶋山洞泉院の住職ら

 「文化財防火デー」の26日、石巻市北上町橋浦の洞泉院で防火訓練があった。参加者が初期消火の訓練などに当たり、同院の本尊「千手観音坐像」を守る手順を確認した。

 訓練では、寺の敷地内で枯れ草を燃やした際、強風にあおられ庭木に燃え移り、本堂に延焼する可能性がある-との想定。市消防団北上地区団を中心に、市北上防火クラブ、河北消防署など7団体から計118人が参加した。

 発見者役と住職は、119番通報や消火器での初期消火しに当たり、文化財を想定した貴重品の搬出訓練にも取り組んだ。連絡を受けて駆け付けた防火クラブ員はバケツリレーによる消火作業を実施。消防団は最寄りの防火水槽から約480メートルにわたりホースをつないで放水を行った。

 北上地区団の佐藤健悦団長は、訓練の実施状況について「良好だった」と講評。その上で「継続的に訓練を実施し、地域の文化財を守ろう」と呼びかけた。市消防団の後藤嘉則団長も「消防技術の練度を高めていく」と力を込めた。

 文化財防火デーは1949年1月26日、奈良県の世界最古の木造建築物「法隆寺金堂」が炎上し、壁画を焼損したことから定められた。同市でも毎年、この時期に文化財の防火訓練を行っている。

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