わいどローカル編集局 >桃生(石巻市)
「わいどローカル編集局」は石巻地方の特定地域のニュースを集中発信します。24回目は「石巻市桃生地区」です。
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地元出身者作詞の県民歌、中学生が演奏
石巻市桃生町出身の作詞家遠山徳男(1923~81年)が手がけた2代目県民歌「輝く郷土」が、桃生中(生徒150人)の吹奏楽部から町内外に広がっている。
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遠山は県と河北新報社が募集した県民歌の作詞に応募。664点の中から1位を獲得し、作曲家古関裕而の編曲による「輝く郷土」が46年発表された。
和泉千佳子校長は2024年4月の赴任以来、一部の地域住民から何度か「地元の人が作詞した県民歌をぜひ吹奏楽で演奏してほしい」という要望を受けた。
和泉校長は遠山と県民歌について調べ、その歌詞やメロディーの素晴らしさに感銘を受けた。吹奏楽の楽譜を作ることを決意し、石巻西高音楽科教諭の大滝純平さんとともに編曲。昨年8月、吹奏楽版の楽譜を完成させた。
桃生中吹奏楽部が昨年9月14日「ものうふれあい祭」で初めて披露。同年10月の同校文化祭、「ものう秋祭り」にも出演し、来場者や地域住民に好評だった。
部長の2年高橋真美さん(14)は「石巻などのことを思って歌詞を書いた人が、桃生町出身と聞いて親近感が湧いた」と笑顔。クラリネットの2年阿部つむぎさん(14)も「皆楽しく吹いている。演奏を聴く人に曲の存在を知ってほしい」と話した。
和泉校長は「遠山が戦後日本の復興を願って書いた歌詞は、東日本大震災後の私たちにも通じる『新たな日本を作っていこう』というメッセージがある。県が誇る復興ソングとして市内外に伝えていきたい」と意欲を示した。
宮城県民歌「輝く郷土」(1946年発表)
作曲・福井文彦/作詞・遠山徳男/編曲・古関裕而
1.平和の春のあけぼのに
さきがけ進む輝きの
力あふるるわが宮城
ここにうるはし人の和の
誠は結ぶ郷土愛
2.仙台平野名も高く
耕す土は黒々と
みのり豊けきわが宮城
とはにいみじきこの山河
たたへて共に育くまん
(3、4番省略)
飲食店「OASIS B&B」、地域活性に
三陸沿岸道桃生豊里インターチェンジのすぐそばにある飲食店「OASIS(オアシス)B&B」。昨年5月18日、石巻市桃生町出身のオーナー小泉勇さん(76)=仙台市=が「地域活性化になれば」とオープンさせた。産直やバーベキュー施設をアピールする大きな看板と2階建ての店舗が目を引き、地元住民を中心に利用者が訪れる。
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バーベキューは夏を中心に人気。他のシーズンは屋内で卓上のコンロを使った焼き肉ができる。牛、豚、鶏など種類も豊富で、2~3人前、4~5人前のセットメニューがあり、さまざまな人数に対応する。
1階は桃生町の野菜や米をはじめ、石巻市の水産加工品などを扱う物販コーナーがある。大根やネギなどを作る生産者が新鮮なものを届け、お菓子作りが得意な住民もクッキーやケーキを納品。お昼ごろには完売している日もあるという。
物販コーナーの隣は飲食スペース。唐揚げ定食や、そば、うどんなどをそろえる。食事メニューを頼むと、サービス品として提供しているおしんこやサラダ、総菜も食べることができるのもうれしい。
2階は宴会、カラオケのスペース。オープン当初はなかったが、店の利用者らの要望を受け、昨年12月から利用できるようにした。
飲食、産直、カラオケなど、さまざまな施設を詰め込んだ空間に、桃生町出身で店長の小泉久美子さん(53)は「これまで、桃生に足りなかったものがそろっている。地元の人にも認知されてきている」と語る。
週末はキッチンカーが出店しているときもあり、家族連れでにぎわう。今後は店舗の周辺に宿泊施設や車中泊専用施設「RVパーク」もオープンするといい、より需要が高まりそうだ。
オーナーの小泉さんは「さまざまな人が桃生と店を求めて来てくれるようにと願って、店名をオアシスにした。古里をさらに知ってもらうきっかけにしたい」と意気込む。
石巻市桃生町城内嶺前8の1。営業は1階の物販が午前10時~午後7時、飲食は午前11時~午後7時。定休は月曜。物販コーナーでは野菜を出品する生産者の募集も行っている。連絡先は0225(25)6591。
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無農薬、手作り 洋食の店「オリーブの木」
昨年12月にオープンしたばかり。洋食の店「オリーブの木」は石巻市桃生町中津山の住宅地の中にあり、店内に入ると、ジャズの音色が心地よく、落ち着いた空間に安らぐ。手作りにこだわったイタリアン料理の数々が近隣住民を中心に話題を呼んでいる。
共に40代で、仙台市出身の丹野秀一さんと石巻市出身の妻奈津美さんが営む。2年前に長男が生まれたことがきっかけで、子育てしながら飲食店ができる場所を探し、仙台から桃生町に移り住んだ。
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メニューはシェフのおまかせパスタ(1380円)やデザート盛り合わせ(650円)など日替わりが中心。野菜も無農薬にこだわる。取材で訪れた日はボロネーゼ、デザートが「いちじくのパウンドケーキ、ティラミス、クレームブリュレ」の3種を提供した。
秀一さんは「一部メニューの固定化も考えているが、いろいろな料理を楽しんでほしい。お客さんの反応を見て、入れ替えながらやっている」と現状を話す。
店は元々空き家だったが、秀一さん夫妻が購入後、ほぼセルフリノベーションした。畑も耕し、イタリアンパセリ、ベビーリーフなどを育てている。暖かくなればトマトやナスといった野菜も栽培する予定だ。
水、木曜のランチタイム(午前11時~午後3時)のみの営業で、オープンからわずか1カ月だが、すでに常連客もいる。「苦手なオリーブが食べられるようになった」などと、口コミで人気が広まっている。
店名の「オリーブ」は平和や幸福などの象徴として知られる。奈津美さんは「地域住民の支えがあってこそなので、お客さんが幸せな気分になれる店にしたい」と意気込む。
秀一さんも「桃生に縁がなかったが、みんな温かく接してくれる。息子の成長に合わせて営業日を増やすなど、やり方を工夫して家族で頑張る」と語った。
住所は石巻市桃生町中津山八木160の1。連絡先は0225(85)0930。
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今回は桃生販売店と連携し、大谷佳祐、渋谷和香の両記者が担当しました。次回は「東松島市赤井地区」です。
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