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スマホ手放し、親子で読書 毎週金曜「夕やけ文庫」 東松島・赤井南小PTAが活動

日暮れ時の図書館で本に親しむひとときを過ごす親子連れ
本の貸し出しを担う阿部会長(中央)

 親子で読書に親しむ機会をつくろうと、東松島市赤井南小(児童281人)のPTAが、毎週金曜日の夕方に学校図書館を開放する活動に取り組んでいる。日暮れ時の図書館を訪れる児童と保護者は、一緒にページをめくったり、週末に読む本を選んだりして穏やかなひとときを過ごす。

 活動は「夕やけ文庫」と銘打ち、1月17日に始めた。PTAの担当者が午後5時~6時半に図書館を開くほか、本の貸し出し作業も担う。電飾で室内を飾り付け、利用した児童に手作りのしおりを贈るなど図書館を楽しんでもらう工夫を凝らしている。

 3回目の開放日となった1月31日は約20組の親子が利用した。3年の佐藤奈緒香さん(9)は「お母さんとお勧めを話し合えてうれしかった」とにっこり。母の絢香さん(35)は「普段は子育てに追われているので、ゆっくりと読書できる機会になった。子どもがどんな本に触れているのか知れてよかった」と話した。

 東松島市は、子どもたちがスマートフォンやゲーム機を使う時間をコントロールする「デジタルメディア・コントロールチャレンジ」(でめこん)を小中学校で展開している。保護者も活字に親しむ姿を子に見せることで取り組みを推進しようと、PTAの阿部大樹会長(44)が企画した。

 阿部会長は「テレビやスマホの動画から離れて、一緒に本を読む時間をつくってほしい。子どもの想像力や読解力を育むきっかけにもなれば」と期待する。週末なら十分な読書時間を確保できると考え、開放日を金曜に設定した。

 学校図書館の蔵書は約7000冊。高価な本を購入できない家庭の読書を後押しするほか、休館中の市図書館の代替を担う狙いもある。阿部会長は「活動をできる限り続けて、いずれは卒業生らにも開放できるようにしたい。取り組みが他の学校にも広がってくれたらうれしい」と語った。

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