下水道汚水管、石巻市が独自点検 埼玉・八潮の陥没事故受け腐食調査17カ所
下水道管の破損が原因とされる埼玉県八潮市の陥没事故を受け、石巻市は6日、管理する下水道汚水管の腐食の有無などを調べる独自点検を始めた。7日まで計17カ所を目視や機械で確かめる。6日時点で異常は確認されなかった。

事故を踏まえ、国交省は各自治体に(1)直径2メートル以上(2)晴天時に1日30万立方メートル以上の下水を処理する大規模下水処理場に接続-の二つの条件を満たす下水道管の緊急点検を指示した。
条件に該当する下水道管は市内にないが、市は湊地区で1973~83年ごろに整備された比較的古い箇所や、汚水が集中する県管理の幹線につながるポイントを点検箇所として抽出した。
6日は市下水道管理課の技術職員4人が14カ所で、マンホールのふたを開けて水の流れを確認。人体に影響を及ぼし、腐食の原因とされる硫化水素が発生していないかを検知器で調べた。
市が管理する下水道汚水管の総延長は約670キロ(直径20~80センチ)。東日本大震災の復旧工事を経て、新たに整備した箇所や、修繕して使用を続ける箇所が混在している。同課の戸村孝志技術課長補佐は「埼玉の事故で不安に思っている住民もいると思う。人口や処理の規模が違うため、あのような大きな事故は起こらないはずだが、点検が少しでも不安の解消につながってほしい」と話した。
東松島市は、硫化水素が発生しやすい場所の定期点検を3カ月に1回実施していることから、事故を受けた緊急点検は予定していない。管理する下水道汚水管の総延長は約230キロ。市下水道課の担当者は「可能な限り頻繁に点検をしているが、100%問題がないとは言い切れない。国や県などの要請があれば対応する」と述べた。
女川町も緊急点検の条件に該当する下水道管が町内にないため、点検は予定していない。町上下水道課は「定期点検を行っており、老朽化などの心配はない」とした。
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