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石巻市新年度予算案 一般会計767億円、7.7%増 人口減、物価高対応

 石巻市は10日、総額767億2000万円の2025年度一般会計当初予算案を発表した。4月に市長選を控えるが、人口減少対策や物価高騰といった課題に対応するため骨格予算ではなく通常予算とし、24年度当初比で55億円(7.7%)増となった。予算案は12日開会の市議会2月定例会に提出する。

【2025年度の主な事業】
・陸上養殖システム導入支援事業費補助金    900万円
・新市発足20周年記念事業費        1000万円
・こどもまんなか推進事業費          107万円
・運転免許証返納支援事業負担金        204万円
・離島通信環境整備助成事業費補助金      150万円
・コミュニティー施設の照明器具LED化経費 5521万円

 一般会計の復旧復興分は前年度比15.1%減の4億9645万円。東日本大震災の復興支援で他自治体から派遣される職員が初めて0人となり、人件費などが減った。通常分は7.9%増の762億2354万円となった。

 気候変動を踏まえ、陸上養殖システムを導入する事業者への機器購入費補助事業に900万円を充てた。300万円を上限に費用の2分の1を補助し、3件分を計上した。

 05年に1市6町が合併した新市発足から20年を迎えるに当たり、記念事業費に1000万円を措置した。記念式典を開くため今後庁内に検討組織を設立し、日時や内容を協議する。

 運転免許証を3年以内に返納した人を対象に、バス運賃を補助する事業に204万円を計上。「こどもまんなか推進事業」として、子どもや若者の意見を聞く取り組みを進めるワークショップや講演会の経費に107万円を充てた。

 斎藤正美市長は定例記者会見で「市の将来を見据えて行財政改革を加速化するとともに、財政、人口規模に見合った予算編成を行うことで持続可能な行財政運営に努める」と述べた。

 歳入は市税が0.3%増の195億8700万円。個人市民税は、人口減少が続いているものの給与所得の上昇を考慮し増収を見込む。地方交付税は3.8%減の188億400万円。

 特別会計と病院、下水道の両事業会計を含む総額は3.9%増の1317億6465万円とした。

 市議会2月定例会には27議案が提出される。会期は3月19日までの36日間の予定。

震災追悼式、南浜で実施

 石巻市の斎藤正美市長は10日の定例記者会見で、東日本大震災から14年となる3月11日に開く市追悼式の概要を発表した。

 追悼式は震災の発生時刻に合わせ、午後2時40分から石巻南浜津波復興祈念公園内にある市慰霊碑前で開く。遺族や来賓、市関係者ら約70人が出席し、地震発生時刻に黙とうする。

 昨年は午後2時46分に鳴らすサイレンについて、市民の声を受けて震災当時を想起させないように低い音を鳴らした。今年も昨年と同じ音を使用する。

 慰霊碑前では終日献花を受け付ける。昨年まで式典中は別途設けた献花台での献花だったが、今年は式典中も慰霊碑前で献花できる。献花台は市内6総合支所管内にも設置し、午前8時半から午後5時まで受け付ける。斎藤市長は「全市を挙げて犠牲者に冥福を祈りたい」と述べた。

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