事業承継に地域おこし協力隊 支援サービス「継業バンク」と併用 東松島市
東松島市は2022年度から、ココホレジャパン(岡山市)が展開する継業支援サービス「ニホン継業バンク」を活用する。地域おこし協力隊の制度と組み合わせることで、後継者不在に悩む事業者と移住希望者をマッチングする。
協力隊員の受け入れに手を上げた事業者のうち、後継者を求めている事業者にバンクへの登録を提案。成約した人を協力隊員に委嘱することで、双方の経済的負担も軽減する。これまでに5件の募集をかけ、ワカメ養殖と稲作、フラワーアレンジメント技術の承継の計3件で希望者につなげた。
近年は全国で担い手不足や従業員の高齢化、設備の老朽化による廃業が相次ぐ。事業を担う市移住コーディネーターの工藤雅代さんは「すてきで誇れる技術を持つ事業者がいる。本気の後継者を見つけて残せるようにしたい」と話す。
親族以外に事業を託すことに否定的な意見も根強く、事業継承の浸透には社会の理解醸成が必要だという。工藤さんは「継承にどこまで真剣に向き合えるか、継ぐ側だけでなく継がせる側にも覚悟がいる。周囲の理解も深め、しっかり伴走支援をする必要がある」と語った。
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