仙台―釜石間「気仙道」、歴史を後世へ 東松島・大塩に標柱

東松島市大塩地区を通り、江戸時代に仙台城下と現在の岩手県釜石市をつないだ街道「気仙道」の標柱が地区内に完成し、16日に現地で披露された。気仙道に関連する地域の歴史を後世に伝えようと、住民が市に建立を求めて実現した。
標柱は市塩入担い手センター向かいにある消防団のポンプ車置き場敷地に建てられた。白御影石製で、幅24センチ、高さ約180センチ。「歴史の道 気仙道」と文字が刻まれている。気仙道の標柱は市内で3カ所目となった。
仙台藩一門の登米伊達家12代領主邦寧は天保13(1842)年、気仙道で仙台城へ向かう際に地区内にあった「塩入御殿」を宿泊地にしたとされる。このことは住民の間で語り継がれてきたが、塩入地域の高齢者でつくる「塩入シニアの会」は昨年4月、標柱を残すことで歴史の伝承につなげようと市に設置を要請した。
標柱の披露にはシニアの会の会員約20人が参加し、除幕して完成を祝った。仙台市を起点に仙台藩境の釜石市に通じる気仙道は、東松島市では大塩、小野両地区を通る。除幕後は参加者が車で両地区の気仙道を巡った。会員による歴史の講話もあった。
辺見健治会長(81)は「塩入地域の歴史を示す見事な石碑をお披露目できた。地域のことを後世に伝えるのがわれわれの役目。歴史を語り継ぐのに大きな役割を果たすと思う」と述べた。
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