新たな観光の形、探る 東松島の宮戸住民、遊覧船で奥松島見学

東松島市宮戸地区の住民や観光関係者らでつくる「奥松島・江ノ浜の自然を保全する会」は12日、初の研修会を同地区周辺で開いた。参加者は遊覧船に乗って奥松島の景勝地や松島湾のカキ養殖場などを見学し、新たな観光の形を考えた。
同会に所属する同市野蒜の防災体験型宿泊施設「KIBOTCHA(キボッチャ)」の職員や市地域おこし協力隊員ら計24人が参加した。
遊覧船2隻に分かれて里浦や潜ケ浦、鰐(わに)ケ淵水道など松島湾内を約1時間かけて回った。それぞれの場所で木島新一会長(74)が東日本大震災後の海の変化、文化的価値のある建造物などを解説した。
カキの養殖場も見学した。木島会長は「カキむき体験だけでなく、どのように養殖しているかを知ってもらえれば漁業により興味を持ってもらえる」と話した。
参加した同市野蒜の観光商業施設「奥松島クラブハウス」の高橋ちはるさんは「学びながら遊ぶ観光に可能性を感じた。今あるアクティビティのプランに遊覧船観光も組み込みたい」と感想を述べた。
同行した市商工観光課の担当者は「現在はノリ作りやカキむき体験を小学生への教育の場として利用しているが、実際に漁場を見るとさらに地域を知ってもらえると思った。一般の人にも観光コンテンツとして提供できるようにしていきたい」と話した。
同会は昨年3月に設立。イベント開催や草刈り、トイレ設置などの環境保全活動などに取り組む。木島会長は「これからも研修を実施し、行政と連携して奥松島、宮戸の活性化を進めていきたい」と語った。
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