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特別な時間、観賞して 震災映画、古里で劇場公開 佐藤監督が舞台あいさつ 石巻

舞台あいさつをする(左から)佐藤監督、斎藤さん、鈴木さん、幹mikiさん

 東日本大震災を題材にした劇映画「春をかさねて」(2019年)とドキュメンタリー映画「あなたの瞳に話せたら」(同)を監督した石巻市出身の映像作家佐藤そのみさん(28)=東京都=の舞台あいさつが15日、公開中のイオンシネマ石巻(石巻市茜平4丁目)であり、出演者3人と映画を巡るトークを展開した。

 県内の映画館での上映は初めて。舞台あいさつには佐藤さんのほかに「春をかさねて」で、それぞれ主人公・祐未の両親を演じた斎藤由佳里さん(祐未役の斎藤小枝さんとは実際の親子)と鈴木典行さん(大川伝承の会共同代表)、ミュージシャン役の幹mikiさん(シンガー・ソングライター)が登壇した。

 佐藤さんは「私自身、震災で妹を亡くした。ずっと被災者を背負い続けなければならないのかと葛藤した。大学時代(日大芸術学部映画学科)に作ったこの2本が震災と向き合う重要な作品になった。今は映画が観客に特別な時間を与えることができたならいいなと思うようになった」と胸の内を明かした。

 4人は好きなシーンや撮影時のエピソードなどを紹介しながら「この機会に多くの人に見てほしい」と強調。地元石巻の映画館での公開実現を喜び合った。

 震災当時、同市住吉小教員で震災を体験した宮本約(やく)さん(61)=東松島市=は「佐藤監督の人生を絞り出して作られたような映画に心を揺さぶられた。映画の持つ力が100倍にも、1000倍にもなることに感動した」と語った。

 市内ではシアターキネマティカ(中央1丁目)での上映が3月12~16日(13日休映)に決まった。県内では今月21日からイオンシネマ新利府とイオンシネマ名取で、3月7~13日にフォーラム仙台で公開される。

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