「震災との距離感」見つめて 石巻の被災家屋で作品展、あすから 石彫など8点
石巻市の彫刻家ちばふみ枝さん(43)らによる作品展「わたしたちはばらばらの場所で」が22日、同市渡波の民家で始まる。東日本大震災で被災した家屋に、震災後に制作した石彫や写真など8作を展示。津波の爪痕が残る空間で海をテーマにした彫刻などを観賞してもらい、それぞれが持つ震災との「距離感」を見つめてもらう。
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ちばさんら市内の芸術関係者でつくる「石巻アートプロジェクト」が初開催する。個々の暮らしの中で、それぞれの立場や場所、時間から捉えた震災があると考え、一つのイメージに限定しない多様な震災の見方を尊重する。展示作も必ずしも震災をテーマにしていない。
ちばさんは「一つの出来事でも捉え方は人それぞれで、その距離感はその人固有の大切なもの。既存の震災の物語をなぞるのではなく、個々の感じ方に気付いてもらいたい」と話す。
自身も震災への感情を整理するのに10年を要したという。「『震災は怖い』は報道などから知識として知っていたことで、自分で感じるものとは別だった」
ちばさんは「作品を見て『これ何だろう』と思うことが自身の内面への問いかけにつながる。パワーがある作品が想起のきっかけになればいい」と話した。
作品展には、ともに県出身の写真家かんのさゆりさんと彫刻家菅野泰史さん、東京都出身の陶芸家宮下サトシさんが出展。
ちばさんの母千葉勝子さんは、津波で一部が流失した過去作に新たな絵を描き加えた「イマジン」などを展示する。同作は昨年の河北美術展日本画部門で入賞した。
公開日は22、23、24、26日、3月1、2、5、8、9日。午前10時半~午後4時。観覧料200円。希望者は前日午後5時までにプロジェクトのウェブサイト内のフォームから申し込む。会場の詳細は申込者に伝える。
連絡先はishinomakiartproject@gmail.com
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