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当たり前の日常、大切さ心に刻む 震災犠牲者遺族が講話 東松島・鳴瀬未来中

贈呈した本棚を傍らに置き、生徒たちに語りかける遠藤さん

 東松島市鳴瀬未来中(生徒182人)で17日、東日本大震災の記憶を継承する追悼集会があった。震災の津波で子ども3人を亡くした石巻市の木工業遠藤伸一さん(56)が講話し、生徒に「たくさんの人に支えられて生きている。相互の思いやりが大切」と語りかけた。

 体育館に集まった生徒は犠牲者に黙とうをささげた。遠藤さんは津波で被災した自宅や車の写真をスクリーンに映し、被災状況を伝えた。子どもを亡くし、生きる理由を見失ったが、同じように家族や自宅を失った周囲の避難者に支えられた日々を振り返った。

 遠藤さんは「突然日常を奪うのが災害。自分が住む街でどういう災害が起こるかを想定し、大切な命をつないでほしい」と訴えた。

 生徒会長で2年の高橋理仁さん(14)は「きょうだいを亡くすのはどんな気持ちか考えさせられた。当たり前に帰る家や家族がいる日常の幸福を痛感した」と話した。

 遠藤さんがアドバイザーを務めるNPO法人テイラー・アンダーソン記念基金による本棚の贈呈もあった。本4冊と図書カードも贈られた。

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