石巻市議会 免許証返納者の運賃割引、新年度から 市、路線バスで制度開始
石巻市は新年度、運転免許証を返納した市民を対象に、路線バスの運賃割引制度を始める。返納者の移動費負担を軽減するとともに、バス利用の促進を図る。21日にあった市議会2月定例会の会派代表者質疑で、市は新年度以降、割引対象の住民バスやタクシーへの拡大も検討することを明らかにした。
運賃の割引制度は、免許証を3年以内に返納した市民が対象。1人につき200円の割引券24枚つづりを発行する。
市によると、高齢ドライバーの過失による交通事故の報道が増えたことなどに伴い近年、免許証を返納する高齢者が増加。市内でも高齢者を中心に年間約400~500人が返納している。県内では、28市町村が返納者に対するバス運賃の割引などを実施している。
市は割引券425セット分の事業費204万円を2025年度一般会計当初予算案に盛り込んだ。2月定例会に提案しており、路線バスを対象に4月の利用開始を目指す。
代表質疑では、斎藤正美市長が対象拡大について「住民バスや市民バスも含めた制度の拡大を検討しており、タクシーも対象とする方向で関係機関と協議していく」と答弁した。
災害時の情報伝達手段の多重化に関する質問もあった。市は新年度、防災行政無線の放送内容を電話で確認できる「防災行政無線自動電話応答サービス」を導入する考えを示した。気密性の高い住宅内で防災無線が聞き取りにくかった時や内容を聞き漏らした際に、電話で放送内容を確認できる。
防災無線の内容は通信アプリLINE(ライン)などでも確認できる。電話番号を事前登録しておき、放送後にかかってくる電話で内容を確認できるサービスも活用しているが、登録は伸び悩んでいるという。
渡辺拓朗(公明会)、木村美輝(石巻あかつきの会)、大森秀一(石巻市民クラブ)の3氏が質問した。
議員定数2減で「28」へ
石巻市議会(定数30)は21日、議員定数の在り方などを検討する議員定数等調査検討特別委員会を開き、定数を2減の28とする方針を決めた。開会中の2月定例会最終日の3月19日に条例改正案を提出する。次期市議選から適用される見通し。
市議会は特別委を昨年6月に設置。計7回会議を開き、各会派から定数について意見を聴取した。無会派を含む全ての会派で削減するべきだとの意見は一致していたが、削減数は「2」が5会派、「4」と「検討中」が各1会派で割れていた。21日の委員会で、検討中だった会派も「2」とする考えを示した。
特別委の西條正昭委員長は「最終的にほぼ全会一致で決まり安心した。常任委員会の数を維持できるぎりぎりの削減数になったと思う」と話した。
市議会の定数は、2014年5月の市議選で34から30に削減した。今年4月27日投開票の市議補選(欠員2)は定数30のまま実施する。
特別委は今後、議員報酬についての検討を続ける。
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