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劇で震災語り継ぐ 俳優と小学生、力合わせ表現 石巻・復興住宅集会所で上演

「いのちのかたりつぎ」を構成する7話のうちの一つ「サバイバルの唄」で共演する俳優と子どもたち。最後は客席も巻き込んだ

 東日本大震災から間もなく14年、市民参加型の震災伝承劇「いのちのかたりつぎ」が23日、石巻市門脇町3丁目の市営門脇東復興住宅集会所で上演された。俳優とワークショップを経て参加した子どもたちが共演する場面もあり、震災の記憶を語り継いでいく大切さを歌やダンスを取り入れた芝居で訴えた。

 「いのちのかたりつぎ」は津波や被災地「Fukusima(福島)」などを題材に7話で構成。同市出身の芝原弘さん(43)=仙台市=、大橋奈央さん(30)=石巻市=ら俳優5人が出演した。

 俳優たちと一緒に震災伝承劇に臨んだのは地元を中心にした7~12歳の小学生13人。全員、震災後の生まれだが、ワークショップで被災者から聞いた話や被災地・門脇地区を歩いた体験を基に、避難道の話など自分たちの思いや言葉で創った三つの物語を披露した。

 市内の79歳女性は「震災の記憶が風化していく中で、演劇の形で子どもたちに受け継がれていくことに感動した」と語った。

 会場もこれまでは主に市河北総合センターだったが、今回初めて復興住宅の集会所を使用した。

 多くの住民が詰めかけたことに演出の前川十之朗さん(59)=岩手県大船渡市=は「被災地、被災者とつながりながらやっていくことに意味がある」と強調した。

 主催の三陸まちづくりART(大船渡市)は、震災の体験をさまざまな形で「伝える」活動に取り組んでいる。「いのちのかたりつぎ」は5年目。

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