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震災乗り越えた音色、心癒やす 故鈴鹿さんのピアノで演奏会 石巻

鈴鹿さんが愛用していたピアノで演奏する金指さん。ドラマーの佐久間さん(奥)と協演

 東日本大震災を乗り越えたピアノを使ったコンサート「奇跡の3.11のピアノ演奏会」が8日、石巻市中央2丁目の春潮楼であり、優しい音色が市民の心を癒やした。

 ピアノは2年前に67歳で亡くなった同市出身の俳優鈴鹿景子さんが高校生の頃まで愛用していた。震災時、中央2丁目にあった実家は津波で被災したが、ピアノは難を免れた。引き取ったのが、春潮楼3代目でドラマーでもある佐久間令さん(46)だった。

 コンサートはピアノが置かれている店内で行われ、田園教会(相模原市)のピアノ奏楽者で、2015年から被災地石巻を支援し続ける金指崇さん(53)=東京都八王子市=が演奏、自作やショパンの曲で鈴鹿さんのピアノに新しい命を吹き込んだ。

 佐久間さんのドラムとの協演もあり、ジブリアニメ「となりのトトロ」のオープニングテーマ「さんぽ」などを披露、手拍子が起きるなど会場は和やかな雰囲気に包まれた。最後は金指さんのピアノに合わせて全員でチャリティーソング「花は咲く」を歌い、震災への思いを新たにした。

 同市北村から訪れた56歳女性は「温かく優しさに満ちたコンサートだった。励まされた」と感激した。

 石巻訪問が24回目となった金指さんは「鈴鹿さんのピアノの音色は輝きがあり弾いていて心地よかった。これからもピアノ演奏で心の復興をお手伝いしたい」と語った。

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