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温かな光、いつまでも 石巻・旧大川小で「竹あかり」

流麗なデザインから光が漏れる竹灯籠。来場者は温かな光を見つめ、14年前に思いをはせた=11日午後6時5分ごろ、石巻市の旧大川小

 東日本大震災の津波で児童74人と教職員10人が犠牲になった石巻市旧大川小で11日、当時の在校生数と同じ108本の竹灯籠に明かりをともす追悼行事「大川竹あかり」があった。来場者は犠牲者の冥福を祈りながら、会場を包む温かな光を見つめた。

 午後5時半過ぎ、竹筒の発光ダイオード(LED)電球を点灯した。竹筒の流麗なデザインから光があふれ、来場者が記した「ずっと忘れない」「いつまでも一緒だよ」などのメッセージを優しく照らした。

 旧大川小でボランティアの語り部活動に取り組んできた東北大4年吉越将宏さん(23)は「命の大切さをいま一度考えさせられた。卒業後も活動に携わりたい」と話した。

 大川竹あかりは2022年に始まった。遺族らでつくる一般社団法人大川竹あかりが主催する。遺族やボランティア延べ約500人が、2月から約1カ月かけて灯籠を制作した。

 6年生だった三男雄樹君=当時(12)=を亡くした法人代表理事の佐藤和隆さん(58)は「これからも多くの方に関わってもらい、14年前にあったことを少しでも思い出すきっかけにしてほしい」と語った。

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