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大川小映画「生きる」 石巻で舞台あいさつ 監督「遺族の思い、追体験して」

映画への思いを語る(左から)寺田監督、只野さん、紫桃さん

 東日本大震災で児童74人と教職員10人が犠牲になった石巻市大川小の津波訴訟の歩みを追った映画「『生きる』大川小学校津波裁判を闘った人たち」(124分、2022年)のアンコール上映が同市茜平4丁目のイオンシネマ石巻で始まり、寺田和弘監督(53)と映画に出演した原告遺族2人が15日、舞台あいさつした。

 映画は遺族が記録した保護者説明会などの映像を中心に構成された。遺族が真相究明を求めて民事訴訟に踏み切った経過や、子を失った親の心情に迫る。

 3年生だった長女を失った只野英昭さん(53)は「議事録代わりに撮った映像が、遺族の体験を体感してもらう映画になった」と振り返り「真相を知りたい気持ちは今も変わらない」と明かした。

 寺田監督は「遺族がどんな思いで闘ったのか映画を見て追体験してほしい。未来の命を救う可能性を勝ち得た裁判であると、地元で正しい理解が広がってほしい」と話した。

 大川小校舎は劣化が進んでいる。5年生だった次女を亡くした紫桃隆洋さん(60)は「生き残った子の願いで残った校舎だ。悲劇を伝承し未来の命を守るため、校舎保存への理解を呼びかけていく」と語った。

 同館での上映は20日まで。石巻の劇場公開は2年ぶり。全国で劇場公開や自主上映を重ね、観客動員数は3万5000人を超えたという。

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