真珠養殖、可能性は 女川の水産関係者が会議 研究紹介、意見交わす

女川町の水産関係者が近年の記録的な猛暑で発生するカキ、ホヤ、ホタテのへい死対策と、新たな魚種の養殖導入の可能性を探る会議の2回目が17日、女川町まちなか交流館であった。真珠養殖に使われる二枚貝「アコヤガイ」養殖の実現に向けた試験の報告などがあり、参加者が意見を交わした。
県水産技術総合センター(石巻市渡波)の職員や大学教授ら8人が研究内容を紹介。センターの本庄美穂副主任研究員は、アコヤガイの養殖に関する試験内容を説明した。
アコヤガイは寒さに弱く、千葉県房総半島沖が生息の北限とされていたが、昨年10月、石巻市竹浜で養殖カキに付着しているのを生産者が発見した。
その後、県内各地で採種された個体を使い、水温耐性を確かめる垂下試験を今年1月から牡鹿半島の2カ所で実施。水温が8度を下回った2月に死滅した個体があったという。本庄研究員は「昨年と一昨年のように黒潮が北上して水温が上がれば生き残れる。寒さに耐えられれば養殖実現の可能性も出てくる」と話した。
東北大大学院の藤井豊展准教授は、養殖漁業での観測機を使った水中モニタリングの重要性を説明。「プランクトンがいつ、どこに発生するかなどが分かるようになる。温暖化対策を含め、海を自分たちで分析することが大切だ」と語った。
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