「直行直帰」呼び掛けむなしく 最終間に合わず、仙台で足止め

試合終了後、シャトルバスに向かう観客=21日午後10時20分ごろ、利府町の宮城スタジアム(写真映像部・川村公俊撮影)

 競技が始まった東京五輪で、数少ない有観客会場となった宮城県利府町の宮城スタジアムでは21日、夜にかけてサッカー女子の2試合が行われた。新型コロナウイルスの感染拡大防止で「直行直帰」が呼び掛けられたものの、東北新幹線などの公共交通機関は日帰りに対応した臨時運行をしなかったため、仙台市内に足止めを余儀なくされた県外からの観客も少なくなかった。

 午後10時20分ごろ、第2試合を観戦した客を乗せたシャトルバスがJR仙台駅東口に到着した。

 「(10時25分発の郡山行き)最終新幹線に間に合うかも知れない」。福島市の40代会社員男性は改札口に走った。大会スタッフは「直帰をお願いします」と繰り返し呼び掛けた。

 仙台発東京行き最終列車は午後9時48分。帰りの足を気にして第1試合で切り上げた東京都多摩市の会社員男性(37)は「仙台は東京の人混みと比べるとそこまで感染の怖さはないが、妻に長居するなと言われたのでもう帰ります」と言い、足早に駅に向かった。

 一方、帰りのシャトルバスの時間に間に合わず、最終への乗車を逃した人も。東京都のライター城田晃久さん(45)は「地元の方に迷惑が掛からないように日帰りするつもりだった」と口にし、急きょ駅近くのホテルにチェックインした。

 当初、JR東日本は深夜に新幹線の臨時列車を運行する予定だったが、鉄道ファンが大挙して乗車する可能性を理由に断念。自宅へまっすぐ帰るという前提は崩れた。宮城県は「矛盾した対応だ」と大会の組織委員会に回答を求めていた。

 名古屋市の会社員男性(44)は「帰る足がないのでホテルに泊まる。ただ、せっかく来たから観光もしたかった」と複雑な表情。京都市から訪れた大学教授相原正道さん(50)も「食事も宿も現地で利用しないのは無理だ。これが自分でできる限りの直行直帰」と語った。

 感染リスクを避け、マイカーで長距離を運転して訪れた観客も多かった。

 新潟県見附市のパート従業員長谷川朋子さん(53)は車で4時間かけて仙台に来た。「観戦後に新潟まで戻るのは体力的につらいので、仙台駅前に泊まることにした」と打ち明けた。21日の夜から仙台市全域の酒類提供店などで時短営業が要請されたため、「出歩かず、夕飯はコンビニ弁当にします」と話した。

 宮城スタジアムでの次の日程は24日。午後5時からサッカー女子の中国-ザンビア、オランダ-ブラジルの2試合が有観客で開催される。

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