被災3県の小中学生、大坂に聖火つなぐ

開会式で聖火ランナーを務めた東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島の3県の子どもたち=23日夜、国立競技場

 23日の東京五輪開会式で、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の小中学生6人が、国立競技場内の聖火ランナーとして参加し、最終走者のテニス女子、大坂なおみ(日清食品)につなぐ大役を果たした。

 聖火ランナーとなったのは、岩手県の小学6年松原永和(とわ)君と中学3年高橋美月さん、宮城県の小学6年寺島拓夢(ひろむ)君と中学3年菅原千嘉(ちひろ)さん、福島県の中学1年中沢蓮さんと中学3年青木心那(ここな)さん。聖火を受け取った後、それぞれが一度トーチを持ってから、全員で数十メートル走り、大坂にトーチキスで聖火をつないだ。

 寺島君は仙台市在住の11歳。3歳でバドミントンを始めた。今大会の男子シングルスでメダルが有力視される桃田賢斗に憧れる。

 「レシーブで粘って最後はスマッシュ。かっこいい」。少しでも近づきたいと、体力づくりに取り組む。通う小学校は、2016年のリオデジャネイロ五輪で金メダルを取った高橋礼華、松友美佐紀組が高校時代を過ごした聖ウルスラ学院英智(仙台市)の付属校だ。

 過去に実業団でバドミントンに打ち込んだ母やよいさん(51)は「五輪は、スポーツを頑張っている誰もが憧れる場所。新型コロナウイルス禍での開催に、いろんな声があるが、息子がランナーに選んでもらえて光栄でした」と語った。

 中沢さんは12歳。「心臓が、ばくばくした。サッカーの大会より緊張した」と振り返った。

 11年3月、保育園児の時に東京電力福島第1原発事故に遭い、青森県へ一時避難した。小学4年でサッカーを始め、中学からは親元を離れ、福島県広野町にある寮を備えた日本サッカー協会の選手育成機関「JFAアカデミー福島」で練習に励む。

 東京パラリンピックに出場するトライアスロン女子の土田和歌子(八千代工業)から火を受け継いだ。大舞台を経験し「日本代表に選ばれたい気持ちが強まった」。五輪サッカー男子の久保建英のように欧州でプレーする夢が、いっそう広がった。

 式典のエグゼクティブプロデューサー、日置貴之さんは式後のオンライン記者会見で、6人の起用を「復興のシンボル」と説明した。

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